どうぶつ
愛猫との別れに沈んだ気持ちを癒してくれた きょうだいとはぐれた元野良ねこと不思議な絆
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20年来の大切なママ友がつないでくれた縁 「くう」の死から2週間後に…
まん丸でつぶらな瞳がとってもかわいい三毛の女の子。彼女の名前は「ジジ」ちゃんといいます。「最強悪さ全開だけど、実はガラスのハートでビビりな優しい子」。そう話すのは飼い主のジジママさん(kuutakuya)です。
◇ ◇ ◇
ジジという名前は、息子さんの好きな人気スーパーモデル「ジジ・ハディッド」から名付けたとか。アニメに出てくる黒ねこにもちなんでいるそうです。そんなジジちゃんとの出逢いはというと……。
「実はジジと出会う少し前、7年間一緒に暮らしてきた『くう』というねこがリンパ腫で亡くなってしまったんです。20年来の大切なママ友が連れてきてくれたねこで、本当にかわいくてかわいくて、愛してやまない子でした」
壮絶な闘病生活の末、虹の橋を渡ってお空に行ってしまったくうちゃん。ジジママさんは、毎日のように骨壷を開けては泣いていたそう。
くうちゃんが亡くなって2週間近く経ち、ようやく「もし今誰かから『にゃん(ねこ)』を飼ってほしいと言われたら飼ってもいいかな……」と思えるほどに落ち着きを取り戻したといいます。
ちょうどそんな時、くうちゃんに出会わせてくれたママ友と会うことに。ジジママさんがママ友に今の思いを打ち明けたところ、驚くような返答が。
「え! 実は昨日、親ねこと子ねこ4匹が家のガレージにやってきて、誰か子ねこをもらってくれる人いないかなと思っていたところ」
ジジママさんは急いで子どもたちに相談。
「くうの時、実はもう“1にゃん(1匹ねこが)”いたんですが、くうだけ飼うことにして……。ずっとそれを後悔していたんです。今度こそ絶対、多頭飼いしたいと思いました」
悪さもするけど心優しい「ジジ」 飼い主さんの体調が悪い時には寄りそうことも
子どもたちも賛成してくれ、ねこたちを見にいく段取りを進めていたところ、ママ友から1本の電話が。何と近所のねこ嫌いのおばさんが、ねこたちをほうきで叩いて追い払ってしまったという連絡でした。
それでも1匹だけは、かろうじて保護。それがジジちゃんでした。そのせいかジジちゃんは時々、玄関でドアの方をじっと見つめていることがあるといいます。
「他のきょうだいたちは元気にしてるのかな? 幸せに暮らしてるかな? そんな風にに思ってるのかもしれません」
こうして紆余曲折あって、家族になったジジママさんとジジちゃん。現在はとてもおてんばに、のびのびと成長し「嘘でしょ!?」と思うような悪さをよくするそう。
「壁をめくったり、息子の靴をボロボロにしたりする“噛み噛み職人”。私には遊びで思いっ切り噛むし、爪を立てるし、猫パンチも」
しかし、お孫さんにはどんなことをされても絶対に攻撃をしないという優しい一面も。また、ジジママさんの体調が悪い時には、ずっとそばにいてくれるのだとか。
「顔を見ながらちょこんと座って、私が横になったら身体の上に乗ってすりすりしたり。何となく分かってくれてるんだなって思うと泣きそうになりました」
長年連れ添ったくうちゃんを亡くした悲しみが消えることはありません。でも今、ジジママさんのそばにはジジちゃんがいてくれる。静かにそっと心に寄り添ってくれている。
「普段は仕事で忙しいけれど、仕事から帰ってきてじゃれ合っていると、疲れも吹っ飛んでとても癒されます。お休みの日に一緒にまったりしている時も幸せを感じますね。ジジが我が家に来てくれて、本当に幸せな日々を送っています」
もしかしたらジジちゃんは、くうちゃんが連れてきてくれたのかもしれない。悲しみに沈んでいたジジママさんを立ち直らせようと。これからもずっとジジちゃんとの幸せな毎日が続いていきますように。きっとお空の上で、くうちゃんも微笑んでいるはずです。
(猫ねこ部)