どうぶつ
母ねこから“育児放棄”された元野良ねこ 雨にも風にも病気にも負けず「私を選んでくれてありがとう」
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飼いねことの幸せエピソードをお届けする“なないろ猫物語”。今回は、ある風の強い日に出逢ったイケメンねこの「風(フゥ)」くん。名前には「雨風にも負けず、猫風邪にも負けずに頑張ったね」、そんな思いが込められていました。
◇ ◇ ◇
話しかけるとお返事してくれる「フゥ」くん
つぶらな瞳で見つめてくる、とてもイケメンな風(フゥ)くん。
「フゥはとってもおしゃべりさんで、話しかけると必ずお返事してくれます」
そう話すのは飼い主のCHIHO(chiho_4025love)さん。フゥくんとの出逢いは、ある風の強い日でした。
半年前に愛猫を亡くしたばかりだったCHIHOさんは、夕方になると決まって駐車場に現れる5匹のねこたちをベランダから眺めるのが、毎日の楽しみであり癒やしだったといいます。
そんなある日、ねこたちは姿を見せなくなります。
「保護されたのか、連れていかれたのか、亡くなってしまったのか、とても心配していたのですが、2日後にベランダの下から子ねこの鳴き声が聞こえてきたんです。見るとキジトラの子ねこが私を見上げて鳴いていて……」
子ねこのすぐ近くには母ねこの姿があったので、「お母さんのところへ行っておいで」と声をかけたCHIHOさん。すると子ねこはお母さんの元へと歩いて行くのですが、母ねこは“シャーッ”と威嚇して、ねこパンチをしています。子ねこは何度も母ねこのところへ行くのですが、受け入れてくれなかったそうです。
その後も何日経っても母ねこの様子は変わらず、子ねこは駐車場で母ねこを求めて鳴き続けます。
「このままだと死んでしまうかも……」と心配していたある日、たまたま仕事が早く終わって家へ帰ると、駐車場にたくさんの警察官の姿が。何があったのかを尋ねると、近辺でアライグマが出たとのこと。
子ねこが気になって駐車場で様子を見ていると、CHIHOさんの元にあのキジトラの子ねこが鳴きながら近寄って来たのです。よく見ると両目はつぶれていて開いておらず、しかも身体は雨でびしょ濡れ。
「このままこの子を放っておいたら、アライグマにやられるかも。死んでしまうかも」
そう思ったCHIHOさんは、無意識に子ねこを拾い上げたといいます。そしてすぐに病院へ連れていくと、猫風邪にかかっているとのことで即入院に。
「その当時、家には老猫が2匹がいたので、うちでは飼えないなと思っていたんです。里親さんを探してあげないといけないと思っていた矢先、病院から『迎えに来てもらえますか』と連絡があって。お迎えに行くと、ぱっちり開いた両目で私を見つめ喜んで鳴く姿が……」
その瞳にすっかり心を奪われてしまったCHIHOさんは、その場でうちの子にしようと決心します。
「体重250グラムほどの小さな小さな身体で、雨風にも負けず、猫風邪にも負けずに頑張ったね。そんな想いを込めて『風(フゥ)』と名付けました」