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「エリザベス女王時代」の終焉 王室専門家が示唆 すでに実権はチャールズ皇太子に 英紙報道
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新型コロナウイルスの影響で 作家モートン氏が語る
2015年9月9日に在位期間が63年と216日となり、ヴィクトリア女王を抜いて英国史上最長在位の君主となったエリザベス女王。94歳となった現在でも衰えを見せず、4月に新型コロナウイルス感染拡大でロックダウンとなった英国民を励ましたスピーチは「さすが」と称賛された。また先日は、99歳の誕生日を迎えた夫のフィリップ殿下との貴重なツーショットも披露。胸元に輝く特大のダイヤモンドブローチが話題になっている。しかし、英紙によると、そんなかくしゃくとした女王に退位の現実が迫っているという。
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英大衆紙「デイリー・ミラー」は、多数の王室関連の著作で知られる作家のアンドリュー・モートン氏が、英メディアの取材に応じて「実質的にはチャールズ皇太子が王位に就いている」と発言したと伝えた。すでにエリザベス女王時代は「終わった」と示唆したという。
記事によると、新型コロナウイルスが最大の原因だとした。モートン氏は、女王が94歳という高齢であることから、今後も2メートルのソーシャルディスタンスを守る生活が“強いられる”と指摘。
さらに「エリザベス女王自身もハイリスクの年齢だが、万が一、女王が感染すれば99歳のフィリップ殿下も危険にさらされることになる。そんなリスクは冒せない」と続け、「王室に与えた影響としてはオリバー・クロムウェル(17世紀にチャールズ1世をスコットランドへ国外退去させた政治家)以来だ」と発言を締めくくった。
エリザベス女王の「引退説」には、夫のフィリップ殿下が95歳で退いたことから、女王が来年の4月で95歳になった時点で退位するのではないか、という見方もある。
英国史上最長在位を始め、年齢も英国史上最高齢の君主であり、すでにさまざまな在位記録を打ち立てたエリザベス女王ではあるが、実公務に戻れないとすればモートン氏の予言通りにこのまま退位となるのか。今後の新型コロナウイルスの進展を見守りながら英王室の状況にも注目したい。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)