漫画
愛猫へのあふれる思いを綴った漫画が共感の嵐 「向き合うからこそ分かることがある」
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生き物を飼うということは、決して簡単なことではありません。毎日の食事や排泄のケアといったさまざまな手間や、金銭的な負担も大きく、「かわいい」という気持ちだけではカバーできない面も多いからです。また、時には愛するペットの病気と向き合うことも必要となり、大切な命を亡くした時のダメージも計り知れません。それでも動物を飼う理由は何なのでしょうか。「死んだ息子の遺品に息子の嫁が入っていた話1」(KADOKAWA刊) などで知られる漫画家で、作者の秀(@hide_pau)さんが、人生をともにする愛猫への想いと覚悟を綴った漫画が話題になっています。
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元保護ねこの「レオ」くんと「シロウ」くん いつしかかけがえのない存在に
ツイッターでは、自身の単行本の試し読みや、仕事の合間に描いた読み切り漫画を公開しています。その中でも話題となったのが、愛猫たちへの想いがあふれたため描いたという、4ページのモノクロ漫画です。
登場するのは2匹のねこ。いつも秀さんのそばを離れない寂しがり屋で、ちょっぴりわがままな4歳の茶トラ「レオ」くんと、そんなレオくんが大好きで毎日ちょっかいを出しては嫌がられているという2歳の長毛ねこ「シロウ」くんです。
レオくんは、秀さんの職場近くにある警察署で保護されていたそう。見学に行くと、愛らしい子ねこたちが団子状態になってケージの中で固まっていました。秀さんはその場で、一番手前にいたレオくんをお迎えすることに決めたといいます。
一方シロウくんとの出逢いは、里親募集サイト。まだコロコロと小さく、汚れたまま掲載されているシロウくんを見つけ、ピンと来て里親に応募しました。
「抱えなくてもいい弱さを抱えてしまった気も」 それでもまったく後悔しない理由
物言えぬねこたちの体調を常に見張り、大切に育ててきたという秀さん。いつしか「2匹がいない人生なんて考えられない」ほど、大切な存在となっていました。そんな想いを綴った漫画は大きな反響を呼び、特に多くの人の心に刺さった言葉があります。
それは「抱えなくてもいい弱さを抱えてしまった気もする」「それでも一緒に暮らしたこの数年間は全部彼らとの思い出なのだ」と、2匹との思い出を回想するシーン。
多くの読者が自身の経験と重ね合わせ、「動物好きだけど 死んじゃうの悲しいから飼いたくない って意見わからなくないけど そこに向き合うからこそ わかる事がある」「こうしてあげてたら良かった、とか後悔はあるけど、出会わなければ良かったとは微塵も思いません」「あかん泣いてまう。もう泣いてた」など、たくさんの感想が寄せられました。
「死んでしまうのが悲しいからペットを飼わないという話をたまに耳にしますが、それ以上に一緒に暮らしたたくさんの時間が宝物だから、生き物と一緒に暮らしているという飼い主が多く、私もそのように思います」と秀さん。
生き物を飼うというのは、とても責任重大なこと。かけがえのない家族が、最期に目を閉じるその瞬間まで、精一杯愛情を注いであげるにはどうすればいいのか。改めて考えさせられる一作です。
(Hint-Pot編集部)