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通院時に使いやすいのは? 災害時に便利なのは? 猫用キャリーバッグの選び方を紹介
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目的地までの移動手段 公共交通機関を利用する場合は事前確認が必須
移動手段によっても使いやすいキャリーバッグは違ってきます。
○徒歩:軽量の肩がけやリュックタイプで負担を軽く
目的地までの距離によっても変わってきますが、猫の体重+キャリーバッグの重量を手持ちするとなると、特に女性の場合はかなりしんどいのではないかと思います。猫ちゃんの体格にもよりますが、大きめの猫ちゃんならなおさらです。なるべく軽量の肩がけタイプやリュックタイプを選ぶと良いでしょう。
○自転車:リュックタイプが便利 ただし横幅に注意
自転車で移動する場合にはリュック型が便利です。布製の他、まるで宇宙船のようなおしゃれなプラスチック製のものもあるので選ぶ楽しみも。
狭い道や人通りの多い道を通る場合は特に「リュックの幅」に注意。広すぎると人にぶつかったり通れなかったりして、中にいる猫にも不安な思いをさせてしまいます。自転車×公共交通機関を使って移動する場合もあるかと思いますが、その場合も混雑度合を考え、周りの迷惑にならないよう、なるべく横幅が広すぎないものを選ぶようにしましょう。
○車:シートベルトに固定できるタイプを 飛び出し防止ベルト付きで安全を確保
車移動の場合は、必ずシートベルトに固定できるものを選びましょう。ほんのちょっとの時間でも油断は禁物。急ブレーキなどでキャリーが落ちてしまうことのないよう、シートベルトでしっかり安全を確保しましょう。
長距離移動の際は、途中休憩でキャリーバッグから猫を出すこともあるかと思いますが、万が一の脱走を防ぐためにも「飛び出し防止ベルト付き」のものを選ぶと安心です。ただし、キャリーを嫌がって暴れる猫の場合には、逆にリードが絡まってしまうこともあるので十分注意してください。
○電車・バス:鳴き声やキャリーの大きさに注意 料金や規定もあらかじめ確認を
電車やバスなどを使って移動する場合には、他の乗客の方への配慮を。猫が苦手な方や猫アレルギーの方のためにも、鳴き声やキャリーの大きさには注意が必要です。猫から外が見えると不安で鳴いてしまうことも多いので、よく鳴く猫の場合には外が見えないタイプが◎。
また、大きすぎると混雑している車内では周りにも迷惑がかかってしまい、猫にとっても不安定。「暗くて狭いところ」を好む猫の習性も考えて、大きすぎないものを選びましょう。
移動中に猫が吐いてしまったりすることも考えて、念のためペットシーツを敷いておくと安心ですね。電車やバスを使う場合、鉄道会社ごとに料金や規定などが決められていますので、事前に調べておくことが大切です。
JR利用の場合(2020年9月時点)
・料金:キャリーバッグ1個につき290円
・サイズ:長さ70センチ以内(縦・横・高さの合計90センチ程度)
・重さ:10キロ以内(猫を入れた状態で)
・駅や車内ではケースから出さない
・乗車する駅の改札口などで荷物を見せて、普通手回り品きっぷを購入して乗車
※料金や規定は変動する可能性があります。
※新幹線利用時も同様
○新幹線:スーツケースに固定できるタイプやキャスター付きが便利 サイズには注意を
猫を連れて新幹線に乗る機会があるとしたら、帰省や旅行などの場面が多いかと思います。飼い主さんの手荷物がスーツケースの場合、猫用キャリーはスーツケースに固定できるタイプを使うと便利です。
飼い主さんの荷物がリュックで両手が空いている場合は、キャスター付きのキャリーなども◎。駅構内での移動もコロコロがあれば楽ちんですよ。ただし、電車やバス移動と同じく、料金や規定をあらかじめチェックおきましょう。
猫と新幹線を利用する時には、足元のスペースが広い最前列の席、人通りの少ない窓際の席を指定席で予約するなど、なるべく猫に負担がかからないような工夫を。鳴きやまない時はデッキに移動するなど周りへの配慮も大切です。
○飛行機:国内線はIATA規定に準じたものを 細かな注意点も事前に確認
国内線では猫の機内持ち込みが禁じられているため、手荷物として預ける必要があります。その際のキャリーバッグは、IATA(国際航空運送協会)の規定に準じたものを用意しなれけばなりません。
ANAの場合(2020年9月時点)
・料金:6000円(一部路線は4000円)※貸し出しもあり
・硬いプラスチックや金属など、強度のある素材で作られた、頑丈で屋根の付いた航空運送に耐え得るケージ
・布製キャリーや厚紙、ダンボールなどで作られたものは不可
・車輪付きの場合は取り外し可能、もしくは車輪が固定できるもの
・換気用の窓があるなど通気性が良いもの
・ペットが十分に動けるスペースがあるもの
・事前に混合ワクチンを受けていることが条件
・手荷物の収容状況によっては預かりできない場合もあり
国際線の場合は猫の機内持ち込みが可能な航空会社もありますが、キャリーのサイズや持ち込み可能な頭数、猫種、月齢なども細かく規定されていますので、事前に必ずチェックしておきましょう。
大きさや頭数に合わせて選ぶ場合は、広さや重さを要チェック
猫にとって理想的なキャリーの大きさは「狭すぎず広すぎず」です。中でUターンできるサイズを選ぶのがポイント。ただし、子猫のうちに小さいサイズを選んでしまうと、大人になって入れるのが大変になることも。猫の成長も考えて選ぶようにしましょう。
また、各キャリーバッグには推奨体重や耐荷重などが示されていますので、事前に必ずチェックを。耐荷重表記の場合は、キャリーバッグが耐えられる重さなので、少し余裕を持って選んだ方が安心です。
2匹以上の猫を飼っている場合は、カートタイプやキャスター付きを持っていると便利です。相性があまり良くない猫同士の場合は、中に仕切りがついているタイプも◎。ただし、移動手段によっては使いづらいこともあるので、目的に合わせて選んでくださいね。
好奇心旺盛で警戒することなくすんなり入ってくれる猫もいれば、怖がって暴れたり鳴いたりしてしまう猫も。性格に合わせて選ぶことも大切です。
やんちゃで、中に入るのを嫌がって暴れてしまう猫には、出し入れしやすい「上開きタイプ」で、プラスチック製の頑丈なものが◎。布製の肩がけタイプなどを使う場合には、ファスナーが頑丈かどうかを必ずチェック。壊れていると、ほんのちょっとの隙間からでも猫は抜け出してしまい、大変危険です。
中には、ファスナーのちょっとした閉め忘れの隙間に手を入れて開けてしまう猫もいます。飛び出し防止対策として、中からは開かない安全ロック式ファスナーを採用しているものを選ぶと、元気のいい猫対策としては一段と安心できます。
飼い主さんとくっついていないと不安な甘えん坊さんには、スリングやショルダータイプがおすすめ。移動中によく鳴いてしまう猫も、身体が密着している安心感で落ち着いて鳴きやむかもしれません。スリングはコンパクトに折りたためるので「普段使いはクレートタイプ、いざという時はスリング」などと併用しても良いでしょう。
(猫ねこ部)