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どうぶつ

目をかけていた地域ねこが産んだ子ねこを保護 膝の上で毎晩眠る至福の日常

公開日:  /  更新日:

著者:猫ねこ部

“クーちゃん”こと「くろまめ」ちゃん【写真提供:kahiruさん】
“クーちゃん”こと「くろまめ」ちゃん【写真提供:kahiruさん】

 飼いねことの幸せエピソードをお届けする“なないろ猫物語”。今回は、地域ねこから産まれ、過酷な環境で暮らしていたところを保護された黒ねこ“クーちゃん”をご紹介。先住犬2匹となじめるかが最大のポイントでしたが、最近ではすっかり慣れた様子なのだそう。クーちゃんとの至福の時について、飼い主のkahiruさんにお聞きしました。

 ◇ ◇ ◇

ミステリアスな黒ねこ “クーちゃん”こと「くろまめ」ちゃん

 ミステリアスな瞳でカメラに向かって鋭い視線を向けるのは、“クーちゃん”ちゃんこと「くろまめ」ちゃん。見れば見るほど美形な顔立ちです。

「息子と娘でヒソヒソ話していると思ったら、いきなり『名前決まったぁ! くろまめにしよっ』と言ってきたんです。理由は黒くて小さいから。それだけ?(笑)とは思いましたが採用し、今ではくろまめはどこへやら。家族全員でクーちゃんと呼んでいます」

 そう話すのは、飼い主のkahiruさん。

 kahiruさんには地域ねことしてかわいがっているねこがいました。クーちゃんは、そのねこが産んだ子です。野良ねこへの虐待が相次ぐなど、kahiruさんの住む地域は地域ねこにとって、決して住みやすい環境ではなかったといいます。

 そうでなくても、産まれたばかりの小さな子ねこにとって野外はとても過酷な環境。厳しい暑さや寒さ、飢え、感染症、交通事故、野生動物の捕食……いつ命を落としてもおかしくありません。そんな環境の中で生き抜いていかなければならないのが、野良ねこの暮らしの現実なのです。

 kahiruさんは2匹のいぬを飼っているため、ねこと一緒に暮らすことをずっと躊躇していました。それでも、そんな生きづらい環境に心を痛め、「どうしてもこの子だけは救いたい!」と、クーちゃんを家へ迎え入れることを決心しました。

気が強いけどとっても甘えん坊 先住犬とも仲良しに

 2匹の先住犬は、16歳のダックスフンドの「サスケ」さんと12歳のミックス犬「モコ」ちゃん。クーちゃんはわんちゃんたちと仲良くなれるのか? これが一緒に暮らし始める上で最大のポイントでした。

 最初の頃は、サスケさんに近付いただけで噛もうとするほど犬猿の仲。一方のモコちゃんとは3か月ほどで打ち解け、朝に顔を合わせると“鼻ちゅ~”するほど仲良しになりました。

「でも、最近になってやっと一緒にいることを許してもらえたみたいで。昨日はみんなで日向ぼっこをしていました。クーちゃんがやっと落ち着いて暮らせる日が来たんだと思うとうれしくて。クーちゃん、良かったね!」

 2匹に受け入れられつつあるクーちゃんですが、実は「嫌なものは嫌」とはっきり主張するタイプなのだそう。初めてのワクチン接種では、体重を測るまではおとなしくしていたものの、いざ注射になった途端、先生をキッとにらみ「にゃ~」と怒りをぶつけたとか。

 でもそんな気の強さを見せる一方で、実はとっても甘えん坊な一面も。

「夜、2階にあるクーちゃんのお部屋に行くと、とても愛おしそうにゴロゴロ言いながら甘えてきます」

就寝前のひと時が幸せな時間 膝の上が定位置

 kahiruさんは、そんなクーちゃんから毎晩幸せをもらっているのだそう。

「『クーちゃん寝るよ~』と言うとトコトコ歩いてきて膝の上に。別に呼ばれたから来たんじゃないよって顔をして……。そっと撫でると目をつぶって幸せそうにしています。そのまま私は寝てしまうのですが、クーも必ず寝ています。寝ている間の記憶はお互いないのですが、とても幸せな時間です」

 もし、あの時kahiruさんがクーちゃんを家に迎え入れていなければ、その小さな命は消えていたかもしれません。暖かいお部屋、おいしいごはん、清潔な飲み水。そして、どんな時も寄り添ってくれる家族の存在。クーちゃんには今“落ち着ける居場所”があります。もう安心だね、クーちゃん!

 クーちゃんのように、野良ねこから産まれ過酷な環境で暮らす子ねこを増やさないため、そして人もねこも暮らしやすい環境にするためにも、しっかりと避妊・去勢をし、地域全体で一代限りの命を見守っていくことが大切です。

(猫ねこ部)