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コロナ禍で旅行に「抵抗を感じる」人は9割以上 求めるのは「費用」より「徹底した感染症対策」
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「Go To トラベルキャンペーン」実施中の今、テレビのニュース映像などでは「キャンペーンを利用して旅行に行ってきました」と笑顔で語る旅行者を見ることがしばしばあります。SNSでも「久しぶりの旅行です」と写真をアップする人も増えてきましたね。しかし、まだ新型コロナウイルス感染症流行が収まったとは言えない状況下、実際のところ、人々の旅行に対する意識はどのようなものでしょうか。
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旅行はしたいが「うつしたくない・うつされたくない」というジレンマ
ランク王株式会社が提供するメディア事業「ランク王」は2020年9月9~11日、10~60代までの男女1000人を対象に「新型コロナウイルス影響下における旅行に対する意識調査」を実施。対象者のうち女性は69.4%、男性は30.6%、年代の最多は30代の38.5%です。ちなみに「Go To トラベル」キャンペーンの東京追加は、この調査の実施中に検討が始まったことが報じられました。
まずは「旅行に出かけることに抵抗を感じるか」という質問に対し、「抵抗を感じるので旅行は自粛している」と回答した人は62.1%に。「抵抗は感じるが旅行には行きたい」が33.9%、「特に気にしていない」が4.0%と続きました。
「抵抗を感じている」と答えた人を合わせると9割以上に上ることから、新型コロナウイルス感染症流行の影響はやはり大きく、多くの人が引き続き旅行などの遠出は控えていることが分かります。自粛生活に慣れてしまったことや、新型コロナウイルスに未知の部分が多いことなどが、旅行に対する抵抗感につながっているのではないでしょうか。
とはいえ、「抵抗を感じている」と答えた人の3割以上が「旅行には行きたい」という思いを抱えています。「コロナ禍の旅行先で一番求めることは?」という質問では、「感染予防が徹底されているかどうか(61.0%)」と答えた人が1位となり、2位の「リフレッシュできるかどうか(20.7%)」や3位の「交通費や宿代などを含めた旅行費(11.7%)」と比較すると圧倒的に多い結果となりました。
このことからも「旅行には行きたいが感染は絶対に避けたい」と思っている人が非常に多いことが分かります。また、感染していても無症状のため検査で判明するまで感染者であることに気付かなかったケースも、特に若年層で多く報告されています。万が一自分が無症状感染者であった場合、感染症対策がおろそかな場所に行くと誰かにうつしてしまう可能性があることを恐れている人もいると考えられます。
「新型コロナウイルスが落ち着いたら、最初に遊びに行きたいのは国内と国外のどちらか」という質問では、「国内」と答えた人が87.3%という結果に。新型コロナが落ち着いたとしても、まずは国内旅行を優先する人が多いようです。国内の観光業はコロナ禍による旅行者の減少で大きな損失をこうむっており、自分が旅行をすることで国内の観光業を活気付けたい、まずは自国の元気を取り戻したい、という気持ちを持っている人も多いのではないでしょうか。
国内旅行の行き先については、1位に「北海道」、2位に「沖縄県」がランクイン。いずれも新型コロナ流行以前から定番人気を誇る地域です。せっかく久しぶりに旅行するのなら、今までずっと行きたかった場所にしたい、という意識の表れではないかと思われます。また、非日常を経験することで、「やりたいことは思い立った時に実行すべき」という意識変化があったのかもしれません。このため3位は「京都府」、4位は「東京都」、5位は「千葉県」と、やはり国内観光の定番スポットが安定した人気を集めました。
(Hint-Pot編集部)