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ダイアナ元妃のインタビューをめぐる“疑惑”が再燃 実弟がBBCに激怒と英紙が報道
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1995年に英BBCが行ったダイアナ元妃のインタビューが再び注目を集めている。事の発端は当時、インタビューを担当した記者のマーティン・バシール氏が偽の書類を元にして元妃にインタビューを求めたという疑惑。96年の内部調査では「実際には使用されなかった」とされたが、このほど元妃の弟、チャールズ・スペンサー氏はBBCに対して再調査を求めている。
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当時から存在した“疑惑” 再燃のきっかけはドキュメンタリー番組
1995年に放送されたBBC番組「Panorama」のダイアナ元妃インタビューといえば、チャールズ皇太子とカミラ夫人の不倫関係などについての衝撃的な告白で大きな話題を呼んだもの。25年を経た現在もメディアは時折この件を取り上げているが、今年10月に英民放チャンネル4が放送したドキュメンタリー番組「Diana:The Truth Behind the Interview」によって、インタビューの舞台裏に存在していた“疑惑”も再燃した。
その疑惑とは、当時あまり知られていなかった記者のマーティン・バシール氏が、元妃のインタビューを獲得した方法をめぐるもの。インタビューが行われた当時、BBCのグラフィックデザイナーはバシール氏から偽の銀行取引明細書の作成を依頼され、元妃がインタビューを受ける説得材料に使われたと主張した。
これを受けてBBCは内部調査を開始。1996年には「バシール氏は作成を依頼したが、書かれている内容を実証できなかったため破棄した」と結論付けられた。BBCのスポークスマンは当時、「良いアイデアではなかったがバシール氏は事実を認めた」とした上で、「ただし、インタビュー獲得のためには使用されていないことを確認した」と述べていた。
元妃の実弟がBBCに猛抗議 問題の記者は新型コロナで体調不良
しかし、番組によって疑惑が再燃した今、元妃の実弟であるチャールズ・スペンサー氏はBBCに対して再調査を要求。偽の書類は実際に使用されたと主張した。BBC会長のティム・デイビー氏は、偽の書類が使用されたことについて謝罪する一方、インタビューに対するダイアナ元妃の意思決定には影響しなかったとして、再調査を拒否した。
英大衆紙「デイリー・メール」は現地時間2日、スペンサー氏がBBCに返信したメールを公開。メールによると、スペンサー氏はバシール氏を“イエロー・ジャーナリズム“と批判し、バシール氏がスペンサー氏からダイアナ元妃の紹介を受けるため、スペンサー氏に偽造の銀行取引明細書を見せたと主張している。その明細書は、元妃の廷臣2人が元妃の情報を提供し、セキュリティサービスから報酬を受けていたことを示すものだったという。
また、スペンサー氏は、バシール氏が書いたとされる手紙を発見。手紙はチャールズ皇太子が乳母と関係を持っているという誤った噂に言及していたとした。さらに、当時の内部調査がバシール氏にしか話を聞かず、「なぜ私に聞かなかったのか」と疑問を呈している。
英高級紙「ガーディアン」などが現地3日に報じた内容によると、BBC側はスペンサー氏が提供できる新たな証拠を検討する用意があるとした。だが、現在のバシール氏は新型コロナウイルスに感染しており、症状が重いため「回復後にこれらの新たな問題について調査を実施する」という。
さらに「デイリー・メール」は現地時間5日に複数消息筋の話として、問題となっている偽の書類はデータのコピーにより盗まれていたと報じた。この“盗難”は95年12月、書類制作を依頼されたBBCのグラフィックデザイナーの自宅で発生したとされ、事態はにわかにサスペンスドラマの様相を呈している。
いまだに高い人気を誇るダイアナ元妃。25年を経て再燃した“疑惑”が今後どう推移するのか、ロイヤルファンは固唾を飲んで見守っている。
(Hint-Pot編集部)