インタビュー

【私の家族】「生徒諸君!」の漫画家・庄司陽子さんは愛犬のお産から介護まで 「みんな私の子どもたち」

著者:中野 裕子

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3匹の愛犬たちに囲まれ笑顔の庄司陽子さん【写真:荒川祐史】
3匹の愛犬たちに囲まれ笑顔の庄司陽子さん【写真:荒川祐史】

 女優・小泉今日子(54)主演で1984年に映画化された漫画「生徒諸君!」。ショートカットヘアで活発なヒロイン“ナッキー”は子どもたちの憧れの的となり、ドラマやアニメ化もされた。その「生徒諸君!」の原作を描いた漫画家・庄司陽子さんはその後も「Let’s豪徳寺!」が映画化されるなど、人気漫画家として活躍。これまで100タイトル超もの作品を世に送り出してきたという。70歳になった現在も月刊誌の連載を2本持つ超人ぶりだが、自治体から“優良飼い主”として表彰されるほどの愛犬家でもある。多忙な中、多くのトイプードルの出産から介護まで、献身的なお世話をしてきた庄司さんに話を聞いた。

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現在は3匹と一緒に生活 「この子たちまでは私が見送ってあげられる」

 子どもの頃から動物が大好きだったので、25歳でマンションを買ったのを機にオスのトイプードルの「桃」ちゃんと暮らし始め、それからは桃ちゃんの子どもや孫たちと一緒に暮らしています。一番家族が多かったのは13年前で合計10匹、3世代が同居していました(笑)。たくさんの命の誕生や別れを経験して、今は3匹。お父さんの「棗(ナツメ)」と、女の子と男の子の双子――女の子の「柘榴(ザクロ)」と男の子の「柚子(ユズ)」です。でも、私が60歳になった時に、みんな去勢しました。棗は今16歳、柘榴と柚子は13歳なので、この子たちまでは私が見送ってあげられるけど、犬の寿命を考えると、この先はどうかな、と思ったんです。

 最初の桃ちゃんを家族に迎えたのは、「ヘ~イ!キャシー」という漫画の取材で、東京・恵比寿にあるドッグサロン「青山ケンネル」に取材に行った時。そこで、桃ちゃんと運命的な出逢いをしちゃったんですよ。取材をしながら、かわいい子犬たちを見て飼いたい気持ちが大きくなって、でも、「犬を飼ったら家を空けられなくなるな」とか「最初の1か月はお世話で映画も観に行けないな」って迷って。「取材の後に映画を観て、帰る前にこの前を通った時、目が合った子がいたら連れて帰ろう」と思って帰りに店の前を通ったら、ガラス窓の向こうで桃ちゃんが窓に張り付いて私を見てて、私が店の中に入ると追っかけてきたんです。そうなったら、もうダメよね(笑)。

 桃ちゃんと暮らし始めて少ししてから、桃ちゃんのために「藍」ちゃんというお嫁さんをもらったんです。なのに桃ちゃんは藍ちゃんを嫌って、それまで桃ちゃんは私と一緒にセミダブルベッドに寝ていたのに、一緒に寝てくれなくなっちゃって。桃ちゃんに土下座して謝って、何とか許してもらいましたが、藍ちゃんに初潮がきた途端、桃ちゃんは豹変して藍ちゃんに興味を示しちゃって……オトコってまったくねぇ(笑)。それで3匹赤ちゃんができたんですけど、出産がまた大変でした。12月31日の夜中に産気づいちゃって。動物病院はお休みだったんですけど、何とかお願いして来てもらいました。

 ところが、赤ちゃんが3匹産まれたと思ったら、藍ちゃんは育児放棄。まだ自分が子どもだったのね。犬も人間と同じだな、と思いました。仕方がないから、私が夜も2時間おきに起きて授乳と排泄のお世話をしました。ミルクを温め1匹ずつ飲ませて、ガーゼや綿でお尻を刺激しておしっこやうんちを出させて。それが1か月間。自分のベッドじゃ寝ていられなくて、赤ちゃん犬のためのサークルを作って、その横に寝ていました。しばらくしたら離乳食も与えて……。