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エリザベス女王 クリスマススピーチは記録的な視聴者数に? 「戦時の精神を呼び起こす内容」と専門家
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英国でクリスマスといえば、日本で言うところの盆と正月が一緒に来るようなもの。何をおいても家族が一緒に過ごす、特別な日だ。エリザベス女王が英国民に向けてメッセージを送るクリスマススピーチも“恒例行事”になっているが、コロナ禍に見舞われたことから今年は特別な内容になる見込みだという。英紙が伝えている。
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昨年は約800万人が視聴 今年4月のTV演説は約2400万人に急増した
英大衆紙「ザ・サン」が掲載した記事によると、王室コメンテーターのフィル・ダンピエ氏が今年のエリザベス女王のクリスマススピーチに関する情報を入手。同紙が運営する「ファビュラスデジタル」紙に、その内容が「特別なものになる」などと明かした。
ダンピエ氏によると、スピーチは「個人的かつ感傷的」なものになるという。12月中旬時点で英国での新型コロナ感染者は190万人を超え、死亡者は6万5000人以上に及ぶ。未曽有の事態を受け「その内容は非常に重要なものになるでしょう。国民の士気を高め、戦時の精神を呼び起こすようなスピーチになるはずです」と指摘した。
情報筋によると、スピーチは完成していないという。スピーチは女王自身が自分の言葉で書き綴るもので「従来なら12月初旬か半ばには撮影を終えていますが、今年はまだ行われていません」と述べ、その理由としてコロナ禍に加え、ブレグジット(EU離脱)をめぐる通商交渉が難航し合意なき離脱となる可能性があることを挙げた。
新型コロナ感染者が急速に増えた今年4月、女王は異例のテレビ演説を行い「私たちはもう一度、必ず再会します」などと英国民に語りかけた。ダンピア氏は今回のクリスマススピーチはそれ以上の内容になると推測している。
昨年のクリスマススピーチは約800万人が視聴。今年4月のテレビ演説は3倍の約2400万人に急増したとされる。別の消息筋は「春のスピーチを上回り、記録的な視聴者数になるとバッキンガム宮殿は考えている」と語っている。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)