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エリザベス女王が机の上でTikTok風ダンス!? 英公共放送のディープフェイク動画が英国内で物議

著者:Hint-Pot編集部

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エリザベス女王【写真:AP】
エリザベス女王【写真:AP】

 英国の公共放送「チャンネル4」はこのほど、人工知能(AI)の顔認証技術を用いた精巧な偽動画“ディープフェイク”でエリザベス女王の“代替”クリスマススピーチ動画を作成。映像では偽の女王が真剣な表情でシニカルなジョークを交えたメッセージを発している他、机の上でTikTok風のダンスを踊るという。

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制作側の意図はディープフェイクやフェイクニュースへの警告

 英公共放送「チャンネル4」の公式サイトによると、この動画は“代替”クリスマスピーチ動画として現地時間25日の午後3時25分から放送されるという。現時点で公開されている予告映像を観ると、偽の女王はチャールズ皇太子&カミラ夫人の2ショット写真と愛犬の写真が置かれたデスクに座り、これまでの英BBCによる中継では「心から率直な内容のスピーチができなかった」と、いきなりシニカルなジョークを真剣な表情で述べている。

 さらにこの先ではアンドリュー王子やヘンリー王子&メーガン妃夫妻についても語り、机の上でTikTok風のダンスを踊るシーンもあるという。ただし、最後にスピーチのテーマは「信頼」であるとして、「我々が普段見聞きしているものはいつも本当にその通りなのでしょうか」と問いかける形で、ディープフェイクやフェイクニュースなどについて警告する内容だ。

 この動画の存在が明らかになるや否や、英国内では高級紙から大衆紙までが一斉に報道。また、英国民もさすがに度肝を抜かれたのか、SNSを中心に激しい賛否両論の嵐が巻き起こっている。
 
 チャンネル4は作成の意図を「フェイクニュースに警鐘を鳴らすため」と説明。人の顔を入れ替え、実際には起きていないことを本物のように見せるディープフェイクへの注意喚起であるとしており、この点においては意図を忠実に表現した内容だといえるだろう。

 しかし、一部メディアは「物議を醸している」と報道。確かに「チャンネル4」の公式Twitterを見ると、予告編動画の投稿には現時点で3000超の返信が連なり、「国のために人生を捧げた年老いた女性を馬鹿にしている」など辛辣な批判も多く見受けられる。一方でこれはユーモアでありメッセージだとする意見もあり、視聴者側の感覚によって受け取り方は大きく分かれているようだ。

 英国のジョークといえば、シニカルで自虐的なものも定番。BBCのコメディ番組にしても、『モンティ・パイソン』や『リトル・ブリテン』など、人種差別や宗教問題といった際どいテーマを扱うものほど大人気になったお国柄だ。また「チャンネル4」自体もこれまで、センセーショナルな番組を数多く制作している。だが、今回は真正面から女王をモチーフとしただけに、普段はテレビ番組に関心を示さない層も論争に参加しているのかもしれない。さて、放送後はどのような騒ぎになるのだろうか?

(Hint-Pot編集部)