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ヘンリー王子は「ダイアナ元妃のレガシーを換金している」 写真使用をめぐり英国内で批判噴出
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ヘンリー王子とメーガン妃は2020年12月31日、財団「アーチウェル」のウェブサイトを開設。トップページには当時2歳のヘンリー王子を肩車するダイアナ元妃、幼い頃のメーガン妃を抱き寄せる実母ドリア・ラグランドさんの写真が使用されている。この写真使用をめぐり、“民衆のプリンセス”として愛される元妃の威光を商品化しているとの批判を浴びている。
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一般人も痛烈批判 王室専門家は「ウイリアム王子は心配しているはず」とコメント
ヘンリー王子といえば、「母を失い、今では同じパワフルな集団が妻に被害を与えるのを見つめている」と語り、パパラッチと英タブロイド・メディアに対する強い敵意を隠さなかったことで知られる。しかし、メーガン妃と設立した財団のウェブサイトでメッセージとともに亡き母との写真を使用。先日は英司会者のピアーズ・モーガン氏が「ここには父が不在である」として批判の口火を切ったが、次は写真の使用自体について是非を問う声が噴出している。
英大衆紙「デイリー・エクスプレス」が掲載した記事によると、英ラジオ局「TalkRADIO」のパーソナリティ、ケヴィン・オサリヴァン氏が写真の使用について「ダイアナ元妃のレガシーを使って金を稼いでいる」と発言。メディアの取材攻勢を批判したヘンリー王子が、世界的に有名な亡き母のイメージを使用したとして痛烈に批判した。
また同氏は「基本的にサセックス公爵(ヘンリー王子)夫妻は元ロイヤルであること、そして王家とのコネクションを荒々しく金銭化している」とも語り、昨年9月に米動画配信大手「ネットフリックス」と、そして12月にスウェーデンの音楽配信大手「スポティファイ」と相次いで結んだ大型契約も批判した。
さらには一般リスナーからも“タブロイドが新聞を売るためにダイアナ(元妃)を追ったのも、ハリー(ヘンリー王子の愛称)が自分のプロジェクトのために母を利用したのも結局は同じこと”などといった内容の痛烈な批判が投稿された。
また英大衆紙「デイリー・ミラー」は、王室専門家フィル・チャールズ氏のコメントを掲載。同氏はウイリアム王子について、元妃の写真が使用されたことを「心配しているはず」と述べ、パパラッチの過激取材が生んだ悲劇でこの世を去った母のイメージを、弟夫妻がこうした形で利用したことに心を痛めていると推測した。
先にはネットフリックスオリジナルドラマ「ザ・クラウン」シーズン4をめぐり、元妃の描かれ方に沈黙を守ったことでも一部から批判を受けたヘンリー王子。今回は財団のコンセプトに合わせたメッセージと写真の使用ではあるが、英国内には“拒絶反応”が現れているようだ。また、元妃の生誕60周年に当たる今年は、誕生日の7月1日にケンジントン宮殿で銅像の除幕式も予定されている。ヘンリー王子の動向はまだまだ注目を集めそうだ。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)