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2020年の冬ボーナス「あるが減少」は32.5% 増加した業種は“巣ごもり需要”を反映?

著者:Hint-Pot編集部

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2020年の冬ボーナスにもコロナ禍の影響が(写真はイメージ)【写真:写真AC】
2020年の冬ボーナスにもコロナ禍の影響が(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 コロナ禍で社会が激変した2020年。生活様式や消費者動向などの変化に合わせて、ほぼすべての業界が大きな影響を受けました。世界的に景気が傾く中、日本でも倒産する企業や冬のボーナス(賞与)を減額またはカットする企業も現れています。信用調査会社の調査によると、約3割の企業が「賞与はあるが、減少する(した)」と回答しました。詳しく見てみましょう。

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2020年冬季賞与 減少した業界は「製造」がトップ

 企業の信用調査や信用リスク管理サービスの株式会社帝国データバンク(TDB)は2020年12月~1月、「TDB景気動向調査2020年12月調査」とともに、2020年冬季賞与の動向に関する調査を実施しました。調査対象は全国2万3688社、有効回答企業数は回答率48.5%に当たる1万1479社です。

 まず、2020年の冬季賞与(ボーナス、一時金なども含む)における従業員1人当たりの平均支給額について、2019年と比べて変化があったかを質問したところ、「賞与はあり、変わらない」(36.4%)が最多となり、次いで「賞与はあるが、減少する(した)」(32.5%)、「賞与はあり、増加する(した)」(15.0%)、「賞与はない」(13.5%)が続きました。業界別での増減を見ると、上位は以下となっています。

【2020年冬季賞与の動向:減少した業界】
「製造」(44.2%)
「卸売」(34.3%)
「運輸・倉庫」(33.3%)

【2020年冬季賞与の動向:増加した業界】
「小売」(21.6%)
「建設」(18.2%)
「金融」(15.0%)

2020年冬季賞与 増加した業種は小売業がトップ3に

 業界別で増加した「小売」は、取り扱う商品によって明暗が分かれたことが推測できるでしょう。報道を見ると、アパレル業界に関しては度々「窮地」とされている一方、外出控えの傾向による「巣ごもり需要」で、家具といった住居に関連する商品の業界は比較的好調と報じられているようです。冬季賞与の動向を業種別で見てみると、その傾向がよく分かります。

【2020年冬季賞与の動向:増加した業種】
「家具類小売」(37.5%)
「各種商品小売」(29.2%)
「専門商品小売」(25.3%)

 トップ3を小売業が独占しました。やはり家具は好調だったようで、コロナ禍で自宅にいる機会が増え、新しい家具を購入した人が多かったのでしょう。ただし、ビジネス戦略や商品の特徴などによって、企業間で業績に差が出ているとの報道もありました。続く「各種商品小売」にはスーパーマーケットが含まれています。こちらもやはり、外食控えによる食料品購入機会の増加が影響していると考えられます。

【2020年冬季賞与の動向:減少した業種】
「パルプ・紙・紙加工品製造」(59.3%)
「鉄鋼・非鉄・鉱業」(52.4%)
「精密機械、医療器械・器具製造」(49.4%)

 一方の減少した業界では、製造業が上位を占めました。「パルプ・紙・紙加工品製造」は、コロナ禍により新聞や広告チラシなどの発行部数減少や、テレワークの増加により業務のペーパーレス化が進んだことなど、さまざまな生活環境の変化が推測できます。

「増加」「変わらない」は「人手不足」の企業が比較的多数

 従業員数別で冬季賞与の動向を見ると、「増加」では「6~20人」「21~50人」「51~100人」あたりが16~17%程度と比較的高く、一方、「賞与なし」は「5人以下」が36.4%、「6~20人」が14.4%と、従業員数が少ない企業で賞与カットとなったケースが多いことが分かりました。

 また、人手不足感別で見てみると、「増加」もしくは「変わらない」は「人手不足」と感じている企業が比較的多い一方、「減少」もしくは「賞与なし」は「人手過剰」と感じている企業が多くなっています。「これ以上の人手の流出は防ぎたい」という思いが賞与に表れているのか、それとも人手不足の中で多忙を極めているのか。さまざまな状況が推測されます。

 2021年も引き続きコロナ禍の影響を受けることが余儀なくされ、この先に何が起こるのか分からない不安定な状況は続いています。景気の動向も読みづらく、あらゆる業界・企業にとってはまだまだ試練の年が続くでしょう。少しでも早く感染症拡大が収まり、景気も回復の方向に進むことを祈りたいものです。

(Hint-Pot編集部)