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飲食店は時短営業すべき? “そう思わない”は15% 「これ以上締め上げたら閉店してしまう」
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新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、今月7日夕刻に首都圏の1都3県を対象に緊急事態宣言が再発出されました。これを受けて東京都では飲食店などに対して午後8時までの営業時間短縮要請が出されています。要請に応じた店舗には1日6万円の協力金も支払われることになっていますが、世間の人たちは飲食店がどのように対応すべきだと見ているのでしょうか。
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「時短営業すべき」は57.4% 「今が最終決断」
日本トレンドリサーチ(運営会社:株式会社NEXER)は、1都3県に緊急事態宣言が再発出された2021年1月7~8日にかけて、1600人の男女に対して「飲食店の時短営業」に関するアンケートを実施。「コロナ禍において、飲食店は営業時間を短縮するべきだと思いますか」という質問に「思う」と答えた人は57.4%でした。一方で、「思わない」は15.3%、「どちらとも言えない」が27.3%という結果が出ています。
その理由を聞いてみると、新型コロナの感染拡大に対する危機感が見えてきた一方で、本当に飲食店の時短営業が感染拡大阻止につながるのか、疑問に思っている人も一定数いるということが見えてきました。
○「思う」(57.4%)と答えた理由
「これ以上、コロナウイルスを増やしてほしくない。やるなら中途半端な対策ではなく、徹底的にやってほしい」(30代・男性)
「4月の緊急事態宣言で一定の効果があったから」(50代・女性)
「お客さんが密にならないような配慮が難しいのなら、時間短縮も仕方がないと思う」(60代・男性)
「『飲食店に限ってではない』ことを前提に、人々の往来をなくすために必要な処置だと思う」(40代・男性)
「今が最終決断だと思います。国民すべてが厳しく真面目に自粛すべき」(70代・女性)
「これ以上、コロナウイルスを増やしてほしくない」のは、多くの人の共通の願いでしょう。そのためには、飲食店の時短営業は「仕方がない」という考えがあるようです。また、昨年は緊急事態宣言後に感染拡大の勢いが落ちたことから、今回もその効果を期待する声もあがっています。
「思わない」「どちらとも言えない」の理由は? 「飲食店側の生活もかかっている」
ただ、少数ながら飲食店の時短営業による“効果”を疑問視する意見も……。
○「思わない」(15.3%)と答えた理由
「きちんと感染防止対策をしていれば問題ない」(50代・男性)
「飲食店が問題なのではなく、飲食する人の態度が問題なのだから、飲食店に犠牲を押し付けるのではなく、飲食する人を諭すべきだと考えるから」(50代・女性)
「お店側は色々と対策を練っていて、これ以上締め上げることをしたら閉店してしまう」(30代・女性)
「コロナは経済活動を制限しなければならないほどの危険なウイルスだとは思っていないので」(40代・男性)
飲食店の利用はコロナウイルスの感染拡大につながらないという主張や、すでに厳しい状況に追い込まれている飲食店を心配する声も。対策を徹底していれば、飲食店で感染する可能性は低いと考えている人がいることも分かります。コロナをそれほど恐れるべきではないという声も相変わらずあるようで、感染防止を徹底することの難しさを感じます。
○「どちらとも言えない」(27.3%)と答えた理由
「そもそも飲食店で感染拡大をしていると思えない。時短にして、その短時間に客足が集中してしまう方がクラスターの可能性が上がると思う。テイクアウトを推進するとか、その分の補償をしないと、閉店から密集のデスループが止まらないと思う」(30代・男性)
「お店の規模、状況にもよると思うから」(50代・男性)
「20時までだと効果はあるか疑問」(40代・男性)
「コロナが広まらないためにはお店を閉めたほうがいいとは思うが、飲食店側の生活もかかっているから」(40代・女性)
まだまだ不明なことが多い恐ろしいウイルスとあって、どのような対策が有効であるか、判断できないという人も多い様子。20時までという“区切り”に疑問の声もあがっています。コロナ対策と経済活動のどちらを重視するべきかという点でも、考え方が変わってくるでしょう。
アンケートではさらに、1人で利用する客のみであっても飲食店は営業自粛や時短営業をすべきかについても聞いており、「一人ならいいような気もするが、それで確実に感染を防止できるという保証はない」(50代・女性)、「ランチを食べに行っているが夜に会話をしないで飲むのも問題ないと思う」(30代・男性)、「しゃべらない客の定義が不明」(30代・男性)など、さまざまな意見が出ています。
影響を受けているのはもちろん、飲食業界だけではありません。感染がさらに拡大するような事態になれば、生活や経済活動により制限がかかることも考えられます。この先も、一人一人の行動が鍵を握ることに変わりはないでしょう。
(Hint-Pot編集部)