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平手友梨奈の変化は止まらない “能力ゆえに葛藤を抱く”役柄から見える現在地とは?

著者:関口 裕子

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(c)2021映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会(c)Tomoko Yamashita/libre
(c)2021映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会(c)Tomoko Yamashita/libre

 アイドルグループ「欅坂46」からキャリアをスタートさせ、2020年の脱退後はソロアーティストや女優として高い評価を得ている平手友梨奈さん。脱退前から注目を集める中心メンバーであり、映画出演でもいくつかの賞を受賞しています。2021年に20歳を迎える若さですが、そのオーラと存在感、実力は多くが認めるところでしょう。そんな平手さんの最新出演作は『さんかく窓の外側は夜』。“特別な能力を持つ若者”という役柄を通じて、絶え間なく変化を続ける平手さん自身が見えてくるようです。映画ジャーナリストの関口裕子さんに解説していただきました。

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特殊なキャラクター設定も違和感なく自分のものに

“特別な能力を持ってしまったがために普通に生きることができない”3人の男女が織りなす除霊ミステリー映画『さんかく窓の外側は夜』(2021)。監督は『おじいちゃん、死んじゃったって。』(2018)で国内外から高い評価を受けた森ガキ侑大氏が務めている。

 原作は2013年に連載が開始されたヤマシタトモコの同名コミック(リブレ刊)。心霊探偵としてバディを組んだ、霊をはらえる男・冷川(岡田将生)と霊が視える男・三角(志尊淳)が、呪いを操る謎の女子高生・非浦英莉可(平手友梨奈)と出会い不思議なトライアングルを形成していく。

“除霊ミステリー”というあまり聞かない立て付けの本作だが、ベースにあるのは「周囲と同調できず、かといってそれも個性と受け入れる勇気もなくもがいている」という比較的身近なテーマ。非凡なのは、主人公の3人の同調できない理由が“霊力という特殊能力”という部分だ。

 呪いを操る女子高生・非浦英莉可を演じた平手友梨奈は、そんな特殊なキャラクター設定も違和感なく自分のものにする。

 平手友梨奈は、2016年発売のデビューシングル「サイレントマジョリティー」以来、2020年1月まで欅坂46の不動のセンターとして活躍。その高い表現力が評価されてきた。実際は“シャイでお茶目”(共演の岡田将生談)であるという平手は、14歳の時、どのようにその表現方法を体得したのか?

 本当に不思議なのだが、本作はもちろん、どのミュージックビデオの彼女も、表現者となった途端瞳に“何か”を宿らせ、空気を切り裂くように表現した感情を直接的に我々に突き付けてくる。