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井上真央の“愛されぶり”は撮影現場の照明で分かる!? 共演者とスタッフの心を掴む理由とは

著者:関口 裕子

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『大コメ騒動』1月8日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開(c)2021「大コメ騒動」製作委員会
『大コメ騒動』1月8日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開(c)2021「大コメ騒動」製作委員会

 9日で34歳を迎える井上真央さん。5歳で子役としてデビューし、大学受験時の一時休止期間を経て連続ドラマや映画、NHK朝ドラ、大河などで主役を張り続けています。子役時代や10代の頃から見守っているファンは、本格女優としての成長ぶりに誇らしい気分かもしれませんね。また、共演者やスタッフからの信頼も厚いことから、内面の美しさも進化している様子がうかがえます。そんな井上さんを照らす“光”にもまた、そんな状況を読み解く鍵が隠されているようです。映画ジャーナリストの関口裕子さんに解説していただきました。

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俳優がスタッフに愛されているかは照明を見ればすぐに分かる

 映画製作に携わる者の間ではよく、「その俳優がスタッフに愛されているかどうかは、照明を見ればすぐに分かる」と言われる。井上真央の場合、映画デビュー作『チェケラッチョ!!』(2006)からそれが感じられる。照明技師・吉角荘介氏が井上にまとわせた透明感のある光がそれ。井上はスタッフに、いや“映画に愛されている俳優”なのだと感じた。

 そんな井上真央の最新主演作『大コメ騒動』では、大正7(1918)年に富山県の漁師町のおかか(家を預かる主婦)らが起こした実際の事件“米騒動”がユーモラスかつ力強く描かれる。監督は『超高速!参勤交代』(2014)の本木克英氏。浜の女たちには室井滋、夏木マリ、鈴木砂羽、舞羽美海、冨樫真ら。米商店の女将らには左時枝、柴田理恵、私塾の先生に工藤遥と、豪華な俳優陣のキャスティングも見どころだ。

 井上が演じるのは、出稼ぎ中の夫と姑、そして3人の子どもの母である女仲仕(船への荷の積み下ろしを行う作業員)・松浦いと。聡明だが引っ込み思案で自分の意思を口にできなかったことから、いわれのない誤解を受けることも。

 役作りのために2週間の米断ちをして臨んだという井上の頬はややこけているが、真っ黒に塗られた日焼けメイクの瞳は、気迫で輝き美しい。いや、主婦たちのリーダー・清んちのおばば(室井滋)に采配されずとも動けるようになるにつれ、美しくなっていく。それを撮影の南野保彦氏と照明の江川敏則氏が、逃すはずもなくすくい取っていくのが分かる。