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新型コロナで亡くなった方のお葬式は何が違う? 145社が答えたコロナ禍の葬儀事情
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故人と最後のお別れをする葬儀は、人生の中で避けて通れない儀式です。しかし現在のコロナ禍では、これまで通りのスタイルで執り行うことが困難になりました。大勢が集まる場だけに入念な感染対策が必須とされる中、実際の準備などを行う葬儀社側はどのように対応しているのでしょうか。葬儀社を対象とした調査から、現在の葬儀事情を見てみましょう。
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会食など人が集まってしゃべる状況を敬遠する傾向
「小さなお葬式」を運営する株式会社ユニクエストは2021年1月、全国の提携葬儀社145社を対象に「コロナ禍におけるニーズ変化と感染拡大防止策」に関するアンケート調査を実施しました。2020年4月の調査結果と併せて見てみましょう。
まず、「新型コロナウイルス感染拡大の前と比べて、葬儀の規模や内容に変化はありますか?」との設問では、90.3%の葬儀社が「はい」と回答しました。では、実際にどのような変化があったのでしょうか。
【新型コロナ感染拡大前(2019年)と比べて小規模な葬儀形式を選ぶ人の割合】
直葬:増えている=63.4%・変わらない=35.9%・減っている=0.7%
1日以上かかるお葬式:増えている=12.4%・変わらない=43.4%・減っている=44.1%
通夜と告別式を行わない直葬は増加傾向にあり、2020年4月の調査でも52.9%でした。現在さらに増えている背景にはやはり、新型コロナ感染予防のため人が集まる場所を作らない意識などがあると考えて良いでしょう。
感染拡大が始まった2020年4月頃と比べて「葬儀を行う上で新型コロナ感染を気にしているお客様の割合は増えていますか?」との設問では、実に86.2%が「増えている」と回答しました。また「会食など、人が集まってしゃべる状況を敬遠するお客様の割合」でも「増えている」が84.1%となりました。
では、葬儀社側の感染対策はどうなっているのでしょう。「故人の新型コロナ感染有無に関わらず、遺体搬送時・葬儀において感染症対策は実施されていますか?」という設問では、「はい」が97.2%と過半数を占めました。
【葬儀における具体的な感染症対策(複数回答)】
1位 スタッフ・会葬者のマスク着用(100%)
2位 スタッフ・会葬者の手指消毒(98.6%)
3位 館内のこまめな換気(93.1%)
大勢の人が同じ場所に集まる状況自体は、他の店舗やイベントと同様です。葬儀社と喪主・施主側はもちろん、会葬者も普段と変わらない予防意識を維持する必要があります。