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法事のセルフ中継や出席者の縮小で揉め事に コロナ禍の葬儀・法要のドン引き体験
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同居家族のみの四十九日法要にまさかの参加者 兄妹喧嘩が勃発
昨年4月に同居していた義父が亡くなったため、葬儀を営むことになった北海道在住の健文さん(仮名・50歳)。コロナ禍の真っ只中であり、義父本人が生前から「静かに逝かせてほしい」と口癖のように言っていたことからも、一緒に暮らしている義母と2人の子どもを含む健文さん一家だけで見送ることにしました。義父の娘である妻の真由美さん(仮名)が離れて暮らす兄妹や親戚の了承を取り、ひっそりと厳かに終えたそうです。
問題が起こったのは、四十九日法要の日でした。会食は取りやめ、お経を上げてもらい納骨をするだけの予定だったので子どもたちは留守番。当日は義母と健文さん夫妻の3人でお寺に伺う予定でした。ですが当日にお寺へ向かうと、義兄家族がずらりと揃って健文さん家族を待ち受けていました。
「いやもう、本当にびっくりしました。妻が怒って『コロナ禍だから、私たちだけでやるって言ったでしょ! なして来たのさ!』と強い勢いで責めたので、義兄は『俺だって見送りたいんだ! 一緒に住んでいたからって、何でも自分たちだけで決めるな!』と言い返し、兄妹で罵り合いの喧嘩に発展してしまったんです」
あまりの剣幕に驚いたお坊さんが止めに入り、「兄妹喧嘩などという故人が最も悲しむことを法事の席でするべきではない」と諭しました。しかし、その後の空気は最悪だったと健文さん。
「どうしても来たいなら、事前に言ってくれれば良かったのにとは思います。でも、義兄の気持ちも分かるので……コロナ禍にどこまで呼ぶか、どこまでやるかは難しい判断だなと思いました」
しかし、その後もちょっとした揉め事が。義兄の長男が法事後に発熱し、寝込んでしまったそう。
「義兄の奥さんから『こんな時に法事なんてやるからだ! 息子がコロナだったらどうしてくれるの!?』ってすごく強烈な電話をもらったんですよ……」
結果的にはただの風邪でしたが、真由美さんは「だから来るなと言ったのに!」と怒りをぶり返し、これに義兄も反発。半年以上が経つ今でも、兄妹仲は悪化したままなのだとか。
このように、コロナ禍は意外なところにも影響を与えているようです。もちろん、コロナ禍の法事法要であっても、礼を失していいわけではありません。日々変化を続ける時代に合わせて、私たちも上手に対応していく必要がありますね。
(和栗 恵)