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メーガン妃 コロナ禍が終息しても今夏の渡英は回避か 王室関係者は“決断を歓迎”と英紙
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ヘンリー王子とメーガン妃が“王室引退”を宣言し米国に移住してから間もなく1年。今や米国に定着した印象の強い2人だが、当初は英国と半分ずつ時間を過ごすとしていた。しかし、コロナ禍で自由な渡航がままならず、王室を離れてから英国の土を踏んでいない。ただ、今夏はエリザベス女王の95歳の誕生日を始め、英王室にとって重要なイベントが目白押し。女王も2人の参加を容認していることから出席が期待されるが、英メディアは夫妻の帰国が「そう簡単に実現しない」という見方を強めている。
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ヘンリー王子の動向次第でダイアナ元妃銅像除幕式は延期も
6月10日はフィリップ殿下100歳の誕生日、同12日はエリザベス女王の公式誕生日を祝う式典「トゥルーピング・ザ・カラー」、7月1日はダイアナ元妃の生誕60周年記念日と、ビッグイベントが続く今年の英王室。ただ、英大衆紙「デイリー・エクスプレス」によると、ウイリアム王子がダイアナ元妃の生誕60周年記念日に行われる予定の銅像除幕式を「延期する可能性がある」という。
現在の英国と米国で新型コロナウイルス感染症の第2波が猛威を振るっていることが大きな理由。英国は昨年末から感染者数が急速に増え、新年早々、全国的なロックダウンが実施され、少なくとも2月15日までは国民生活に厳しい規制が敷かれることになっている。米国では死者数の総計が40万人を突破。こちらも厳しい規制が敷かれ、火急の要件がない限りは自由な渡航は許されず、出入国の管理が厳格化されている。
王室コメンテーターのラッセル・マイヤーズ氏はこのほど、ポッドキャスト番組「ポッド・セーブ・ザ・クイーン」でこうした状況におけるヘンリー王子夫妻の英国帰国について言及。同氏は「批判覚悟で英国に戻るとは思えません」との見方を示した。
ヘンリー王子が7月に帰国できない場合、ウイリアム王子が弟の帰国が叶うまで銅像除幕式を待つ可能性があるという。さすがに亡き母の銅像除幕式をヘンリー王子抜きで行うことは“気が引ける”ということなのだろうか。
メーガン妃が渡英すれば行事本来の目的が損なわれる恐れがあると指摘
また、今夏の英王室のビッグイベントに関して、英大衆紙「デイリー・メール」は「メーガン妃がヘンリー王子とともに英国に戻る可能性は低い」と報じ、王子の単独帰国が有力であると伝えた。妃は王室行事への出席を遠慮する方針らしい。
複数の王室関係者の証言によると、妃が帰国を遠慮するのは「個人的かつ合理的な理由」で、決して「鼻であしらう」ような気持ちからではないという。ただし、王室関係者はこのメーガン妃の決断を歓迎しているようだ。
その理由は、もしもメーガン妃が帰国した場合、女王や殿下の特別な誕生日を祝い、元妃を偲ぶという行事本来の目的が損なわれる恐れがあること。メディアの関心がヘンリー王子夫妻に集中してしまうというのだ。
さらに、関係者は「誰も『コモンウェルス・デー』の二の舞を望んでいません」とも発言。これは、王子夫妻にとって“王室引退”前の最後の公務となった昨年3月のウェストミンスター寺院での式典のことで、当時はウイリアム夫妻との緊張関係などが伝えられた。つまり、ヘンリー王子夫妻揃って帰国となった場合、ロイヤルファミリー内での不和が悪化する恐れがあると懸念しているのだ。
関係者としては当然、そのようなネガティブな報道が大事なイベントが続くタイミングで再燃することだけは回避したいだろう。
公式には、ヘンリー王子一家の英国帰国に関する詳細は明らかにされていない。しかし、できることならコロナ禍が収束し、一家揃って渡英を果たすのが理想だろう。夫妻が95歳と100歳を迎えた曽祖父母と再会、そしてアーチーくんがいとこのジョージ王子やシャーロット王女、ルイ王子と楽しく遊ぶ。そんな夏休みを過ごしてもらいたいものである。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)