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メーガン妃の“名前変更”騒動 専門家は夫妻側の声明で状況悪化の可能性を指摘

公開日:  /  更新日:

著者:森 昌利

メーガン妃【写真:AP】
メーガン妃【写真:AP】

 現地時間30日夜、ヘンリー王子とメーガン妃夫妻が長男アーチーくんの出生証明書に記載した自分たちの名前を変更していた事実が明らかになった。ファーストネームを削除したメーガン妃の意図についてさまざまな憶測と意見が飛び交う中、夫妻側はスポークスパーソンの声明として「変更は宮殿(the palace)の指示」と主張。だが、英メディアは情報筋の話として「バッキンガム宮殿ではなくケンジントン宮殿のスタッフ」と述べたとする記事を公開した。一体どちらが本当なのか。またも夫妻が火種となり、論争が巻き起こっている。

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本来は「些細な話」のはずだった?

 英大衆紙「ザ・サン」は現地時間30日夜、ヘンリー王子夫妻が2019年5月17日に提出した長男アーチーくんの出生証明書で、数週間後の6月5日に自分たちの名前を変更していたと報じた。その変更とは、ヘンリー王子が「His Royal Highness Henry Charles Albert David Duke of Sussex」からHenryの前に“Prince”を追加。メーガン妃は「Rachel Meghan Her Royal Highness The Duchess of Sussex」からファーストネームの“Rachel Meghan”を削除する内容だった。

 このため、主にメーガン妃の意図についてさまざまな推測が飛び交う事態に。同紙がコメントを求めた王室専門家たちも前例のない行為に困惑を示す中、夫妻のスポークスマンは「変更は宮殿(the palace)の指示でありメーガン妃の要求ではない」と主張。ところが複数の英大衆紙は現地時間1日、王室情報筋が「バッキンガム宮殿は関与しておらず、ケンジントン宮殿のスタッフによって変更された」と述べたとする記事を公開した。目的は夫妻の称号と名前をパスポートなど他の私的文書と一致させるためだったという。

 英大衆紙「デイリー・メール」の王室担当編集者レベッカ・イングリッシュ氏は現地時間2日夜に公開した記事で、夫妻が「宮殿(the palace)の指示(dictated)」とする声明は事態を悪化させただけかもしれないとの見解を示した。“the palace”はおそらくバッキンガム宮殿を指しているが、これまでの報道によると内部関係者は指示を否定。またある情報筋は、夫妻の“dictated”という強い言葉の選択からすると何らかの誤解がある可能性を示唆しているという。

 加えて同氏は、出生記録は民事のためロイヤルベビーでも特別な形式の文言は不要である事実を挙げ、先の報道で王室情報筋が述べたように、この変更は妃のパスポートなどの私的文書と一致させるため夫妻のスタッフによって行われたことが示唆されるとした。

 また同氏は、ロイヤルハウスホールドのメンバー、トーマス・ウッドコック氏との会話内容を紹介。米紙「ニューヨーク・ポスト」のウェブメディア「ページ・シックス」は現地時間1日、ファーストネームの“Rachel Meghan”を削除した名前を公式に要求した人物としてウッドコック氏を挙げている。だが、ウッドコック氏はイングリッシュ氏に対し、ファーストネームがある「Rachel Meghan, the Duchess of Sussex」は未亡人であることを意味し、さらに少し古風であると指摘。さらに出生証明書への関与は否定したが、責任を負う必要があるならば喜んで引き受けると述べたという。

 これらを受けてイングリッシュ氏は、本来は些細な話が米国からの“追い風”によって世界の注目を集め、さらに米国のアドバイザーに守られた夫妻と英国王室側の厄介な関係が明らかになってしまったと結論付けた。ただし、最初からファーストネームを削除した名前で提出されなかった理由と、実際に変更を決定した人物が誰かという疑問は残っている。同紙も先の報道で、夫妻のスポークスパーソンが発表した声明では、変更したという“the palace”の人物が特定されていないことを指摘していた。

 夫妻の声明は「タブロイド紙によって(変更の裏に)冷酷な計算があるように仕立てられた。本当にバカバカしい」と、明らかな怒りがにじみ出ている内容だった。これがイングリッシュ氏の指摘通りやぶへびになってしまうのか、今後の展開が気になるところだ。

(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)