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ヒット商品「パジャマスーツ」誕生秘話 発売までわずか4か月の舞台裏に迫る
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株式会社AOKIが昨年11月に発売した「パジャマスーツ(TM)」。その名の通り“パジャマ以上・おしゃれ着未満”をコンセプトにしたアイテムは、ニューノーマル時代のワークウエアとして世界20か国以上で報道されました。“くつろげて、きちんと感がある”という両立が難しい機能性を具現化したこのアイデアはどこから生まれたのか。今回は商品企画チームの想いを広報室の飽田翔太さんに伺いました。
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代表取締役社長も現場でヒアリング
昨年5月、全国的なマスク不足にいち早く対応して「抗菌・洗えるマスク」を販売した株式会社AOKI。このマスクが累計販売枚数 1000 万枚を達成する大ヒットとなった背景には、コロナ禍という緊急事態の中で「小売業として役に立てることはないか」という思いがありました。株式会社AOKI広報室・室長の飽田翔太さんは、その思いが「パジャマスーツ」につながったと語ります。
「マスクを作り続けながら『もっと役に立てる商品は何だろう』と考えていた時に、ちょうど下着やルームウエア、キッチン用品など暮らしの質を上げるアイテムが売れているという商況を目にしたのが最初のきっかけですね。外出自粛やテレワークなど自宅で過ごす時間が多くなり、AOKIを訪れるお客様にも困っていることがあるんじゃないかなと、まずは売り場で販売員にヒアリングを行いました」
ヒアリングでは「お客様から『自宅で何を着たらいいのか分からない』と言われることが多い」との声が上がってきました。
「特に年配の方から、『パジャマで1日過ごすのはだらしないから着替えたいが、ジャケットやシャツだときちんとしすぎる』『若者のようなトレーニングウエアだと体育の日になってしまって恥ずかしい』という相談を受けることが少なからずあったそうです。そこから“きちんと見えるけど、部屋着としてカジュアルに着られる服”というニーズがあるんじゃないかと考えました」
驚くことに、売り場でのヒアリングは開発担当のみならず、代表取締役社長の上田雄久氏も直々に行ったそうです。
「実際に売り場でヒアリングをするのは、弊社ではよくあることなんですよ。お客様と一番近い位置にいるのは販売スタッフなので。なくてはならないニーズ商品と『あったらいいな』のウォンツ商品、そんなヒントをもらいに行くのはルーティンですね」