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ヘンリー王子夫妻の公的地位返上が決定 「女王の愛情と寛大さが無視された」と専門家

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

エリザベス女王とヘンリー王子、メーガン妃【写真:AP】
エリザベス女王とヘンリー王子、メーガン妃【写真:AP】

 バッキンガム宮殿は現地時間19日、「サセックス公爵とサセックス公爵夫人(ヘンリー王子とメーガン妃)は女王陛下に対し、現役王室メンバーとして復帰しないことを確認した」との声明を発表した。夫妻が有する軍名誉職とパトロネージュ(ロイヤルパトロンとしての立場)は女王に返上された後、現役王室メンバーに再分配される。これを受けて夫妻側が声明を発表する一方で、王室評論家たちも次々とコメントを発表。「女王の愛情と寛大さが見事に無視された」などとする見解も出ている。

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ヘンリー王子夫妻側は「奉仕は普遍的です」と声明

 エリザベス女王がヘンリー王子夫妻の公的地位を“剥奪”するとの動きは、現地時間16日に英高級紙「ザ・タイムズ」が報道。女王が“同意”したため今後の数週間で発表されるとしていたが、実際は3日後という早い展開だった。これにより夫妻は、英国王室の公務から完全引退することになる。

 英国王室公式ウェブサイトが現地時間19日に公開した「サセックス公爵と公爵夫人に関するバッキンガム宮殿の声明」によると、女王は王子との会話に続き、公務生活に伴う責任と義務を継続することはできないと確認。これにより、夫妻が有する軍名誉職とロイヤルパトロンの立場は女王に返上されるとした。

 同サイトは女王に返上される公的地位として、英海兵隊(The Royal Marines)、英空軍(RAF Honington)、英海軍小型船舶とダイビング(Royal Navy Small Ships and Diving)、クイーンズ・コモンウェルス・トラスト、イングランド・ラグビー協会(ラグビー・フットボール・ユニオン)、ラグビー・フットボール・リーグ、ロイヤル・ナショナル・シアター、コモンウェルス大学協会を明記している。再分配についての予定はまだ明らかにされていない。

 これを受けて夫妻側も声明を発表。夫妻は過去1年間の活動からも明らかなように、英国と世界への義務と奉仕に継続して関わり、公的な役割に関係なく代表する組織に支援を提供してきたとした上で、「すべての人が奉仕の生活を送ることができます。奉仕は普遍的です」と述べた。

女王の義務感は「孫や子ども、ひ孫よりも重要だ」と専門家

 英国内外のメディアは本件を一斉に報道。英大衆紙「ザ・サン」は夫妻の声明が女王の声明から3分後だったことなどに注目し、この声明を“反論”と表現した。さらに複数の英大衆紙は王室専門家たちのコメントを伝えている。王室伝記作家のペニー・ジュナー氏は「ハリー(ヘンリー王子の愛称)とメーガン(妃)は明らかにとても動揺しているが、彼らが何を期待していたのかよく分からない」と述べた。

 同じ王室伝記作家のアンジェラ・レヴィン氏も「我々が知っているように、女王は自身の義務と国に身を捧げている。(そして)彼女は子どもたちを愛し、祖母であり続けている。だが結局のところ、彼女の義務感は孫や子ども、ひ孫よりも重要だ」と述べている。

 また、王室コメンテーターのロバート・ジョブソン氏は英大衆紙「デイリー・メール」の電子版「メール・オンライン」に対し、「女王陛下の決定は混乱した状況をクリアにし、私の見解では女王が取れる唯一の道だったが、女王の声明にはクールで隠された怒りもある」と述べた。

 同紙の王室担当記者であるリチャード・ケイ氏も長文を寄稿。過去1年にわたりヘンリー王子は人生一番多くの女王とプライベートな会話を持ったが、今週の会話ほど難しいものはなかったとした上で、「ハリー(ヘンリー王子)に示したすべての愛情と寛大さがとても見事に無視された、あるいは彼女(女王)の顔に投げ返されさえした」と表現した。

 同氏は夫妻が「すべての人が奉仕の生活を送ることができます。奉仕は普遍的です」と“鋭く反論”した理由について、女王の声明にあった「王室の仕事から離れて、公共に奉仕する人生に伴う責任と義務を継続することは不可能」の部分ではないかと推測。英国外でも奉仕は可能とする夫妻側と見解の不一致が存在していると指摘している。この他にも複数メディアでは、両者の声明から「怒り」が見えるとする意見や、考えの相違を指摘する声が見受けられた。

 夫妻の主張はさておき、専門家たちはやはり、夫妻が“王室引退”から1年後も公的地位を保持できたことは“女王の温情”だったと見ているようだ。ユージェニー王女の第1子出産、メーガン妃の第2子妊娠発表、フィリップ殿下の入院、ヘンリー王子夫妻の米インタビュー番組出演、そして今回の一件と、大きなニュースが続く英国王室。ファンにとっては、女王に心労が重なっているのではないかと心配な展開だろう。

(Hint-Pot編集部)