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ヘンリー王子らの“恥辱を避ける” エリザベス女王がフィリップ殿下葬儀へ異例の決定
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エリザベス女王森昌利ロイヤルファミリーフィリップ殿下アンドリュー王子
現地時間17日午後3時に予定されているフィリップ殿下の葬儀。メディアはまず参列者の顔ぶれに、続いて出席者の服装に注目していた。通常こうした冠婚葬祭の席に、従軍経験や名誉職などで軍と関連のある王室メンバーは軍服で臨む。しかし今回は、制服着用が“微妙な”王子2人が参列するため、エリザベス女王の決定が待たれていた。そしてついに下された決定は、異例なものだったという。
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決定の背後には軍関係の名誉職から離れた次男坊王子2人の存在
バッキンガム宮殿は現地時間15日、17日に執り行われるフィリップ殿下の葬儀に参列する男子王族が軍服ではなくモーニングを着用すると発表した。英BBCなど複数メディアが報じている。
この決定の背後には、軍関係の名誉職から離れた2人の次男坊が存在するとされる。フィリップ殿下の次男で性的スキャンダルにより名誉職を返上したアンドリュー王子と、“王室引退”により同じく返上を余儀なくされたヘンリー王子だ。
アンドリュー王子は先に、軍の制服での葬儀参列を希望しているため、王室内で議論が続いていると報じられていた。アンドリュー王子に関しては2019年8月、未成年者への性犯罪で逮捕され同年3月に拘留先で自殺したジェフリー・エプスタインとの交友関係が発覚。王室を辱めた形で公務から外れ、軍関係の名誉職などを失った。
また「メール」紙によると、ヘンリー王子もメーガン妃との結婚式で着用した近衛騎兵連隊ブルーズ・アンド・ロイヤルズ連隊の制服で愛する祖父を見送りたいと希望していたという。だが、ヘンリー王子は“王室引退”で軍関係の名誉職を返上。さらには今年3月、妃と出演したインタビュー番組で王室メンバーの「人種差別的発言」や、王室生活に追い詰められた妃にサポートがなかったとして、メンタルヘルス問題に対する王室の無理解な態度を非難した。
「メール」紙が王室関係者の話として伝えた内容によると、女王が従来の慣例を破る“軍服禁止”の決定を下した理由は「恥辱を避けるため」だという。チャールズ皇太子やウイリアム王子が颯爽とした軍服姿で殿下を見送る隣で、ヘンリー王子とアンドリュー王子が地味なダークスーツ姿でいるのは「辱めを受けているように見える」と判断したようだ。
しかし、身勝手な事情などで軍服を着用できない2人の次男坊王子に、愛する夫との死別で意気消沈しているであろう女王がここまで気を使わなくてはならないとは、気の毒に思えて仕方がない。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)