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フィリップ殿下の葬儀中継で明暗 暴露インタ放送の民放が公共放送に視聴者数で惨敗
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メーガン妃ヘンリー王子森昌利ロイヤルファミリーフィリップ殿下
現地時間17日午後、厳かに執り行われたフィリップ殿下の葬儀。英国内ではその模様がテレビ中継され、視聴者数は英公共放送BBCと英民放ITVを合わせて最高時1260万人を記録したという。しかし、視聴者数の内訳はBBCが圧勝。惨敗したITVといえば、3月にヘンリー王子夫妻の暴露インタビュー番組を英国で放送したテレビ局だ。ここには英国民の意識が表れているのだろうか。
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ITV側の司会は「ヘンリー王子寄りの態度が明確」と伝えられた人物
フィリップ殿下の葬儀は、新型コロナの影響により国葬とならず、参列者も30人に限定された。一般の見送りも認められず、国民は英公共放送BBCと英民放ITVの中継番組で葬儀の様子を見守った。
英大衆紙「デイリー・メール」が掲載した記事によると、葬儀中継は最高時で1260万人の視聴者数を記録したが、その内訳はBBCの1140万人に対し、ITVはわずか120万人。平均視聴者数も午後12時30分から放送を開始したBBCが660万人を数えたのに対し、ITVは85万人に終わっている。
しかしこれも、英国で3月8日にヘンリー王子とメーガン妃の暴露インタビューを放送したツケなのか。このインタビューで夫妻は王室生活を赤裸々に告白し、王室のイメージを大きく傷付けた。生前の殿下は「狂気の沙汰」「何も良いものは出てこない」と語り、公共の電波で私生活を明らかにするヘンリー王子夫妻の行為を非難していたという。
そんな殿下の気持ちを反映したのかどうかは定かではないが、インタビューを放送したITVは葬儀中継の視聴者数争いで惨敗している。また、それぞれの番組司会者にも注目してみよう。
ITVでは、ヘンリー王子夫妻の南アフリカツアーのドキュメンタリーを担当したジャーナリストのトム・ブラッドリー氏。このドキュメンタリーで同氏は、メーガン妃から「王室内では『大丈夫?』と私に声をかけてくれる人が少ない」という発言を引き出し、さらにヘンリー王子からは「兄(ウィリアム王子)とは別々の道を歩んでいる」と語らせた。「メール」紙などは、最近の同氏にはヘンリー王子寄りの態度が明確なため、ウイリアム王子との親交が途絶えたと伝えていた。
一方でBBC側の司会は、同社の看板ジャーナリストであるヒュー・エドワーズ氏。ウイリアム王子夫妻とヘンリー王子夫妻のロイヤルウェディングや、エリザベス女王即位60周年記念式典などの中継も担当した人物だ。
確かに公共放送のBBCはCMで中継が遮られることがない。だが、それだけでピーク時視聴者数に10分の1も差が付くものなのか。やはりこの数字も、英国民の暴露インタビューとヘンリー王子夫妻に対する“NO”が突き付けられた結果なのかもしれない。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)