一般的なカップルの平均性行為回数とは　個人差がある状況を把握

【今回のお悩み2】
「一般的なカップルは月に何回ぐらいするものなのですか？　既婚未婚、年代などで差があるのでしょうか？」（Sさん）

　これはかなり個人差があり、年代や関係性によっても差が出てくるものです。イギリスのコンドームメーカー、デュレックス社が行った世界規模の性調査「デュレックス　セクシャル　ウェルビーイング　サーベイ2007/2008」のデータによると、日本の平均回数は年48回で、週の平均が1回。データを採った国の中では最下位でした。

　ちなみにギリシャは年164回で週の平均が3回。比較すると、日本が“セックスレス大国”と言われるのも仕方ないようにも見えますね。

　しかし、性調査のアンケートに回答するのは性に積極的な人が多い。「性行為の質問があるアンケートなんてとんでもない」という方は、まず回答しませんよね。このため、通常よりも積極的な回答になっていると思います。

　私が受ける取材でも「性行為はどれくらいしたらいいんですか？」とよく聞かれるのですが、これもまた難しいところです。2019年に日本家族計画協会が主催した「性の健康セミナー」では「射精の頻度が週2回以上と高い男性は頻度が低い男性に比べて50％死亡リスクが低い」とのデータが提示されていましたが、女性についてはそういったデータがありませんでした。

　医療において、性の研究というジャンルでは男性が主体であるイメージです。女性の追跡調査がないという部分から、「女性の性の健康が後回しにされているな」と思った記憶があります。とはいえ、女性の場合はオーガズムがないセックスもあるので、データが取りにくいこともあるのかなとも思いますが。

　このため性行為の回数にしても、平均値などのデータはありますが、自分たちのペース次第としか言いようがない。個人差がかなり影響するものなので。ただ、マンネリ化してきて、だんだんと回数が少なくなる傾向はあります。これは恋人でも結婚していても同様です。

マンネリでも2人が満足していればOK　他人と比較しないこと

　マンネリ化に悩む方も多いのですが、2人が「このパターンだと確実に気持ちがいい。この手順なら行為がちゃんと完結する」というなら、それで良いと思うんです。でも、そういったことは考えずに、自分がしたいようにする内容や「同じような手順でいいでしょ」と創意工夫がないものは、良くないなと感じます。

　マンネリでも、性行為があってもなくても、それで2人が満足していればいい。2人がお互いに心地いい関係性を作れていること……それが一番だと思います。

　まずは、他人と比較することをやめてみる。「平均値を気にする必要はない」と思えるようになると、すごく楽になります。自分たちが心地よいスタイルを自分たちで決めていく。そんな風に考え方を変えてみてはいかがでしょうか。

　多様性や個の時代と言われる中で、性の価値観も過渡期です。他人と比べることなく、心地よい価値観、自分が落ち着くものを見つけてみてください。きっとそれがパートナーとの関係性にもつながってくると思います。

（yoshimi）