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日本に昔からあるおなじみの食べ物で「シンバイオティクス」を補給 免疫力アップに

公開日:  /  更新日:

著者:小田島 勢子

一面にマスタードの花が咲く、米カリフォルニア州の山々【写真:小田島勢子】
一面にマスタードの花が咲く、米カリフォルニア州の山々【写真:小田島勢子】

 米ロサンゼルスの片田舎で夫と娘3人、鶏、豚、犬たちとともに自然に囲まれた生活を送る小田島勢子さん。発酵食品作りの講師をはじめ創作料理のケータリング、プロアスリートの体作りのアドバイザーなどさまざまな分野で活躍しています。今回のテーマは、腸内環境を改善するカギともいわれる「シンバイオティクス」についてです。

 ◇ ◇ ◇

体に深い関わりのある“常在菌”

 気温がぐっと暖かくなり、すべてが生命力にあふれる春。この時期、マスタードの花一色に染まる山々が、ロサンゼルスの町を彩ります。ロサンゼルスの我が家の小さな庭にも、この時期は春を感じる風景や味覚がたくさんあふれるようになりました。

 たわわに実るビワ、深い紫色をしたクワの実、レモンとオレンジが重たい実をつけたまま新たな花をつけ、ブドウとオリーブも今まさに花を咲かせようとしています。そんな庭に、今春からミツバチの巣が新たに仲間入りしました。鶏は巣ごもりし、一緒に暮らす豚「スイ」の体を覆う長い毛も夏仕様に向けて抜け始めているようです。

 さて今日は、身近な食材と私たちの体に深い関わりのある“常在菌”の密接な関係をお話ししたいと思います。

増やすと免疫力が高まる? 注目のプロバイオティクスとは

自然のシンバイオティクスであるザワークラウト【写真:小田島勢子】
自然のシンバイオティクスであるザワークラウト【写真:小田島勢子】

 ここ何年か「発酵」に関する情報や食品を身近に感じることが特に多くなり、皆さんも「プロバイオティクス」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。

 プロバイオティクスとは、「摂取したり肌に塗布したりすることで、健康上の利益が得られると考えられている“生きた微生物”」を指します。日本では「善玉菌」という言葉でおなじみでしょう。この善玉菌は人間にとって有益なバクテリアの総称で、腸内をはじめ、皮膚の表面などに人それぞれのバランスで常在しています。

 私たちの体は、発酵食品を食べたりサプリなどを摂取したりして、腸内のプロバイオティクスを意識的に増やすことにより、整腸作用や免疫力を高めることができると言われています。ただし、一時的に外部から摂取したプロバイオティクスはほとんど体の中で定着せず、一定期間存在すると、その後は便とともに排泄されてしまうのです。

アメリカで注目度急上昇中のシンバイオティクスサプリ

 このことからここ何年かは、外部から摂ったプロバイオティクスよりも、体内に常在する“腸内フローラ”を育てることに注目が集まっています。

 そして、この腸内フローラを構成する細菌のエサとなるものを「プレバイオティクス」と呼びます。これらは、特に善玉菌のエネルギー源となるオリゴ糖や食物繊維が多く含まれる食材です。例として、海藻類、豆類、キノコ類、こんにゃく、イモ類、果物や野菜があります。

 また、野菜の中でも特にユリ科やアブラナ科の仲間が、善玉菌の好むオリゴ糖と食物繊維を比較的多く含む傾向にあります。

 ユリ科では玉ネギやネギ、ニンニク、ニラ、アスパラガスなど。アブラナ科は小松菜やキャベツ、ブロッコリー、大根、白菜、カブ、水菜、クレソン、ワサビ、芽キャベツ、ケール、カリフラワーなど。種類は違えど、日本や海外でも身近な食材が多いことが分かります。

 このようにプレバイオティクスは、プロバイオティクスとともに注目されるようになりました。そしてさらに、このプレバイオティクスとプロバイオティクスとを組み合わせたものを「シンバイオティクス」と呼びます。

自家製のみそ【写真:小田島勢子】
自家製のみそ【写真:小田島勢子】

 最近アメリカでは、これら2つの要素を配合したシンバイオティクスサプリメントが人気を集めています。この新しい技術に見えるシンバイオティクスですが、実のところ日本では昔から身近なものとして食べられているのです。

 それは、みそやおしんこ、高菜漬けや白菜漬けなど。

 これらはオリゴ糖や食物繊維をたっぷり含んだ食材を発酵させているので、消化の良いシンバイオティクスそのものなのです。このシンバイオティクスを日頃の食生活で取り入れることで代謝と免疫力アップを助け、健康な体へと導いてくれます。

(小田島 勢子)