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ヘンリー王子 ポッドキャストで米合衆国憲法に言及し大炎上 批判を呼んだ一言とは
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米国にとって、国民の自由を保証する合衆国憲法は誇り。特に修正第1条は国教の樹立禁止や表現・報道などの自由を謳った象徴的な内容だ。だが、それに言及したヘンリー王子は、英国では“クレイジー”と同義語で使われることが多い「bonkers」という言葉を用いるなどした。このため、米国民の一部からは非難の声が上がっているという。英国の調査では好感度の下落が止まらない状況だが、米国ではどうなってしまうのだろうか。
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「理解していない」と前置きしつつも
何かと物議を醸しているヘンリー王子出演のポッドキャスト番組。新たな注目ポイントは、合衆国憲法修正第1条に関する発言だ。
王子は「修正第1条についての掘り下げを始めたくはありません。それは大きなテーマであり、ここ(米国)へ来てまだ間もなく理解していないからです」と述べたが、「しかし、何事にも抜け穴があります。(そこで)言われていることを支持するのではなく、言われていないことを利用、あるいは悪用することができるのです」と続けた。
そして「修正第1条について少しは理解しているので言いたいことは多くありますが、それは『bonkers』です」と述べた。理解はしていないと前置きしつつも、時として抜け穴が利用されることを指摘し、英国では“クレイジー”と同義語で使われることが多い「bonkers」という言葉で表現したわけだ。
英大衆紙「デイリー・メール」が掲載した記事によると、この発言を受けてSNSは炎上。「米国が嫌ならいつでも英国に帰ればいい」という趣旨の反論が巻き起こったという。
まずは米FOXニュースの司会者ローラ・イングラハム氏が「ドアノブにぶつからないように気を付けて、ウィンザー(ロイヤルファミリーの姓)」とツイート。慌ててドアを閉めて、ドアノブにぶつかるような愚かな真似をするなという意味で、王子の発言を皮肉混じりに非難した形になった。
また共和党の下院議員で元海軍特殊部隊のダン・クレンショー氏は「今年の独立記念日パーティーはいつもの2倍に広げることにした」とツイート。英国からの独立を果たした米国史に言及し、強烈な一撃を放った。
さらに英政治家のナイジェル・ファラージ氏は「ヘンリー王子が合衆国憲法を非難したことは正気の沙汰と言えない。これですぐに池の両側(大西洋を挟んだ英米)から疎まれることになるだろう」とツイート。“王室引退”と3月のインタビュー番組に続き、この発言でメーガン妃の母国でも“居心地が悪くなる”ことを示唆した。
それにしてもなぜ、自由の国・米国の根本となる憲法を「bonkers」という敬意のない言葉で表現してしまったのか。今後の王子が非難の嵐にどう対応するのか注目したい。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)