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ウイリアム王子「恐怖心に付け込んだ」 ダイアナ元妃インタビュー疑惑の調査結果に怒り

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ウイリアム王子【写真:AP】
ウイリアム王子【写真:AP】

 英公共放送BBCが1995年に放送したダイアナ元妃のインタビューをめぐり、担当記者が出演承諾までの過程で偽の書類を使ったとする疑惑。昨年から開始された再調査の結果が発表され、偽の書類は存在していたと結論付けられた。これを受けて元妃の長男ウイリアム王子はビデオメッセージで、次男ヘンリー王子は文書でともに強く非難。英紙はウイリアム王子について「これまで見たことがないほどプライベートな姿」と表現した。

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偽の書類は存在 BBC現会長は全面的に謝罪

 1995年、英公共放送BBCの報道番組「Panorama」で放送されたダイアナ元妃のインタビューは、チャールズ皇太子とカミラ夫人の不倫関係など衝撃的な告白で話題を呼んだ。一方、担当記者のマーティン・バシール氏が紹介窓口として元妃の実弟チャールズ・スペンサー氏に接近する際、偽の書類を提示したという“疑惑”も浮上。だが、同年の社内調査は“空振り”に終わっていた。

「騙された」と主張していたスペンサー氏は昨年11月、再び疑惑に言及。紆余曲折の末に第三者である元最高裁判所の裁判官ジョン・ダイソン氏による再調査が決定し、今年5月初旬頃には127ページの調査報告書がBBCに提出された。

 英メディアは現地時間20日、公表された報告書について一斉に報道。報告書でダイソン氏は、バシール氏が使用した偽の書類は存在しており、出演承諾にこぎつけたとされる過程はBBCの制作ガイドラインにおける「重大な違反」であると結論付けていた。

 この偽の書類とは銀行取引明細書で、元妃のセキュリティが「メディアに情報を売っている」とでっち上げる“証拠”として使われたもの。制作にBBCのグラフィックデザイナーが関与したとされる疑惑も、報告書では事実とされていた。

 BBC現会長であるティム・デイビー氏は同日にこれら事実を認め、「全面的かつ無条件で謝罪する」と述べた。

ウイリアム王子「インタビューが両親の関係を悪化させた主な要因」

 この結果を受けて、再調査決定時に「ひとまず歓迎する」としていた元妃の長男ウイリアム王子がビデオメッセージの形で声明を発表。「母や私の家族だけでなく、一般の人々も失望させた」と険しい表情で語った。

 また、バカげた虚偽の主張で「彼女(ダイアナ元妃)の恐怖心に付け込み、パラノイア(妄想)を煽った」と断じ、元妃が出演時に騙された事実はインタビューでの言動にも影響を与えているとも指摘。「インタビューが両親の関係を悪化させた主な要因であり、その後も数え切れないほど多くの人々を傷付けた」と怒りをにじませた。

 さらには「BBCの失態が、私が覚えている晩年の母が感じていた恐怖や偏執症、孤独に大きな影響を与えていた事実を知り、言葉では表現できないほどの悲しみを感じている。しかし私が最も悲しく感じていることは、最初に苦情や懸念が提起された95年に調査が適切に行われていれば、母は自分が騙されていたことに気付いただろうということだ」とBBCを強く非難した。

 この時の王子について英紙「ガーディアン」は、「これまで見たことがないほどプライベートな姿」と表現。インタビューが両親の関係悪化に関係したことや元妃のパラノイアを煽ったことに言及した部分が最も印象的であるとした。

 一方で、これまで沈黙を続けていた元妃の次男ヘンリー王子も文書の形で声明を発表。「これは正義と真実に向けての第一歩です。同時に私は、このようなことやあるいはさらに悪質なことが、現在も広く行われていることを深く憂慮しています。このようなことは、たった1つのメディアやネットワーク、出版社の問題ではありません」と、メディア全体に対する非難も込めた。

 スペンサー氏も自身のツイッターで同日、この疑惑を長年追い続けていたテレビジャーナリストのアンディ・ウェッブ氏に深い感謝の意を示した。「彼がこの件を10年以上追い続けておらず、昨年10月に彼の調査結果を私と共有していなければ、今日の(ダイソン氏による)調査結果は表面化していなかったでしょう」と述べた。

(Hint-Pot編集部)