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ヘンリー王子の矛盾発言 米メディアもついに指摘 スポークスマンが対応する事態に
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“王室引退”以降、インタビュー番組とポッドキャスト番組、ドキュメンタリーシリーズに出演し、王室批判を繰り返したヘンリー王子。特にドキュメンタリーシリーズでは、亡き母ダイアナ元妃の悲劇やメディアに注目されながら生きるつらさを訴え、自らのメンタルヘルス問題にも触れて大きな話題になった。英国ではそんな王子の好感度下落が止まらない一方、米国ではセレブを中心に擁護派が多く好意的という報道もある。ところが、米有名メディアは記事で王子の“矛盾”を指摘。注目が集まっているという。
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今年3月から王室批判を繰り返してきたヘンリー王子
ヘンリー王子は3月放送の暴露インタビューで、妻メーガン妃が自殺願望を抱くほど追い詰められていたことを「王室が無視した」と主張。また人気ポッドキャスト番組への出演時には、王室生活を映画『トゥルーマン・ショー』や動物園に例えて、その窮屈さを表現した。
また、最新のドキュメンタリーシリーズ「あなたに見えない私のこと オプラ・ウィンフリーとヘンリー王子(The Me You Can’t See)」(Apple TV+)では、父チャールズ皇太子が子育て中に告げた言葉を非難。一連の出演で王子は、自分に起こったメンタルヘルスの問題が王室生活とそのスタッフの無理解に起因することを示唆していた。
王子の発言は米国で支持されているとみられていたが、英大衆紙「デイリー・エクスプレス」は「ついに米国がハリー(ヘンリー王子の愛称)とメーガン(妃)の矛盾に気付き、対応する事態に」なったと報じている。発端になった記事は、米有名オンラインメディア「BuzzFeed」で同メディア記者のエリー・ホール氏が執筆したものだ。
夫妻のスポークスマンが回答 「必要なケアを見つけることができなかった」
同記事内でホール氏が疑問視した点は、ヘンリー王子がメーガン妃と知り合うまで「メンタルヘルス問題に1人で苦しんでいた」と発言していること。番組で王子が語った内容は「セラピーを始めた」のも現在の夫人、つまり“メーガン妃に勧められた”ことになっている。
しかし、ウイリアム王子の強い勧めがあって「セラピーを受けた」と、2017年にヘンリー王子が発言していることを指摘。王子はその時の兄の勧めに感謝し、絶賛さえしている。
また、ヘンリー王子がウイリアム王子夫妻と3人でメンタルヘルス問題に取り組み始めたのが「2016年だった」ことも記しており、「メーガン妃に救われた」と主張するストーリーに矛盾が生じると指摘した。ちなみにこの件は、ヘンリー王子の公式伝記本を執筆したアンジェラ・レヴィン氏も、取材時に王子本人から聞いた内容と異なっている事実を指摘していた。
ヘンリー王子夫妻のスポークスマンは「BuzzFeed」に対し、王子の「メンタルヘルスに関する提唱は、自身の回復の道のりと重なっていた」としながらも、2016年7月にメーガン妃と、そして良いセラピストと出会ったことで、自身の苦悩をより詳細に語る「自信が付いた」と回答。
さらにウイリアム王子から(ヘンリー王子がドラックや多量の飲酒に頼っていたと告白した)28歳から32歳の間にセラピーを勧められたものの、「この期間に精神衛生の専門家に会ったにもかかわらず、ハリーは必要なケアを見つけることができなかった」と主張した。
こうした過去発言と矛盾する王子の告白は、英国で人気凋落につながった。米国でもそこを突かれるようになると信頼度が落ち、今後の支持率急落につながる可能性も生まれるだろう。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)