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ヘンリー王子夫妻“リリベット命名”騒動 エリザベス女王は沈黙ポリシー解除か

公開日:  /  更新日:

著者:森 昌利

エリザベス女王【写真:AP】
エリザベス女王【写真:AP】

 エリザベス女王の幼名「リリベット」を長女のファーストネームとして命名したヘンリー王子夫妻。王室批判が過激さを増す中、今回の命名に対し憮然とした声も巻き起こった。そしてその後、メディアとすったもんだの騒動に発展。最愛の夫や家族の思い出が詰まった幼名が言い争いの原因になったことで、英大衆紙は女王がメディア対応ポリシーをついに解除する可能性を報じた。女王は現地時間12日、公式の誕生日を祝うパレード「トゥルーピング・ザ・カラー」で笑顔を多く見せていたが、心では果たしてどのように感じているのだろうか。

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ゴシップとは一線を画し巻き込まれない方針だった女王

 幼かった頃、エリザベス女王は自分の名前をうまく発音することができなかった。その発音から祖父のジョージ5世が名付けた愛称「リリベット」。微笑ましいエピソードで語られる女王の幼名は、フィリップ殿下が最後まで呼び続けた名前だともいわれている。そんなプライベートな愛称を、ヘンリー王子夫妻は長女のファーストネームとして命名した。

 英大衆紙「デイリー・メール」の電子版「メール・オンライン」は現地時間12日夜に公開した記事で、女王が守り続ける「決して文句を言わず、説明もせず(never complain, never explain)」のメディア対応ポリシーをついに解除するかまえだと報じている。

 君主たるもの一般のゴシップとは一線を画し、決して巻き込まれないという方針を貫いていた女王。その信念を曲げた理由は、“リリベット命名”をめぐりヘンリー王子夫妻側と王室筋が“衝突”した一件がある。

短時間のうちに展開した応酬 王子夫妻は警告の書簡を送付

 米国では当初、王子夫妻側の友人が「女王と話して命名の許可を取った」とリークした情報がマスコミに流れた。しかし英国では、匿名の王室筋が英公共放送BBCの記者に対し、女王は「相談されたことがない」と主張。この報道が流れてわずか2時間足らずで、“メーガン妃の応援団”とも呼ばれるジャーナリストのオミッド・スコビー氏が“反論”のツイートを投稿した。

 さらには王子夫妻が弁護士を通じてBBC報道は「虚偽で中傷的」と断じ、これ以上事実でない報道を続けた場合は法的手段に訴えると強く警告。その後さらに王子夫妻側からのリークと見られる“友人談”として、女王がリリベットちゃんとビデオ通話で“初対面を果たした”という報道も流れた。

マスコミの鎮静化を待たず王室筋がさらに反論する異例の事態

 これまでならここで王室側が沈黙し、マスコミが鎮静化するまで待つのがいつもの流れだ。ところがさらに「メール」紙は、王室筋が「そんな事実はない」と否定したことを報道。この情報筋は命名許可に対しても、「(ヘンリー王子がリリベット)命名を希望したかもしれないが、(エリザベス)女王の許可を取り付けたことはなかった」と明かして、王子夫妻の抗議に対抗した。

 匿名ではあるが、このような王室側の“反撃”は極めて異例。同紙が関係者の話として伝えた内容によると、女王が米国側からの報道と王室筋から出た報道の食い違いを避け、マスコミを通した舌戦で“誤解が広がることは許さない”とする方針を打ち出したからだという。

 それなら今回の王室側の反撃も納得できるだろう。しかし問題は、女王と王子の間で一体どのような会話が交わされたのかということだ。もしも女王が王子夫妻の主張に業を煮やし、メディア対応ポリシーを曲げて“説明”を試みるとしたら、命名に関する真実も明らかにされる可能性が生まれるかもしれない。

(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)