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子どもが性的なことに関心を抱き始めたら? 親が知っておくべきこととは

公開日:  /  更新日:

著者:yoshimi

教えてくれた人:OliviA

大事なのは子どもが相談できる関係性を築くこと

子どもがいつでも相談できる関係性作りを(写真はイメージ)【写真:写真AC】
子どもがいつでも相談できる関係性作りを(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 性教育の話をする前にまず大事なのは、子どもが相談しやすい親子関係を築くこと。いきなり「性の話をしてみよう」と言っても、逆に「親の話なんて聞きたくない」となってしまうかもしれません。「何か困ったことがあっても絶対に私は味方だから」というスタンスでいることが大切ではないでしょうか。

「親は絶対的な味方である」。そうした態度を見せることが、性教育の第一歩なのではないかと思います。性に関する事柄は人生を左右することもあるので、子どもが1人で決めるのは無理があります。ですから、「必ず相談して。味方になるから」と常に伝えておくことをおすすめします。

 また、学校の性教育では性感染症や避妊など性行為に伴うリスクについて集中して教えるため、「性行為=怖いことと植え付けられてしまうのでは?」という指摘もあります。「セクシュアル・プレジャー(性的快感)はお互いを尊重した性行為に基づき体験できるもの」という部分が、学校での性教育には抜け落ちている傾向があるので、「パートナーと築き上げていくもの」という思いを親から伝えられるといいなと思う部分です。

価値観が違うことを理解示した上で、親の考えを伝える

【今回のお悩み2】
「子どもに恋人ができたようです。高校卒業まで性行為は控えてほしいと考えていますが、周囲から『考えが古い』と言われます。どのように考えるべきでしょうか?」(Gさん)

 自分たちとは時代が違うことは理解していると伝えた上で、性行為は控えてほしいという考えを持っていると伝えてみてはいかがでしょうか。する・しないはお子さんが選ぶことになると思いますが、親がそういう考えを持っている事実は伝えてもいいことだと思います。

 ただし、その理由も合わせて伝えること。もし自分が妊娠、あるいは相手を妊娠させたら、進学など思い描いていたライフプランにならないかもしれない。「そうなった時に1人じゃ何もできないでしょ」など頭ごなしにダメと言うのではなく、理論的に「あなたの人生を思ってのこと」だと伝える。ここも、やっぱり話し合いですね。

自分が性についてどういう価値観を持っているのかを見直してみる

 子どもに伝える前に、自分が性についてどう思っているのか。それをまず見直してみることも大切だと思います。

 その上で、子どもたちがどんな時代に生きていて、何に悩んでいるのかを親がリサーチしていく。親世代が性教育や人権教育についての知識をアップデートすることも必要ですね。今は性教育YouTuberの方もいらっしゃいますし、子どもと一緒に観てみるのもおすすめです。

 性のことは人生に長く関わってくるのに、極度に恥ずかしがってしまったり、世の中の“普通”を考えすぎてしまったりと、悩んでいることが表に出づらいジャンルです。

 パートナーとの話し合いも、子どもへの性教育も、自分が性に関してどういう価値観を持っているのかを観察してみることから始めるとスムーズなのかなと思います。そこがすべてのスタートになるのではないでしょうか。

(yoshimi)

OliviA(オリビア)

1980年生まれ。ラブライフアドバイザー(R)、アロマセラピスト、日本性科学会 会員。学生時代に「女性の性」をテーマに卒業論文を執筆したことをきっかけに、2007年より性に関する総合アドバイザーとして本格的に活動を開始。台湾でも書籍を出版するなど、日本のみならず海外にも活動の幅を広げ、多方面で「女性のセクシュアルウェルネス」「コミュニケーションを重視した性生活」の提案を行っている。近著に「セックスが本当に気持ち良くなるLOVEもみ」(日本文芸社)など。