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世界遺産・ロンドン塔が“自宅”の英コメディアン 公開した歴史的すぎる日常が話題
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英ロンドンの東、テムズ川の北岸に位置するロンドン塔といえば、エリザベス女王が所有する歴史的建築物であり世界遺産、さらには有名観光地だ。だが、ここに住んでいる人がいることはあまり知られていないだろう。そんな“選ばれた住人”の1人である英コメディアンがその内部の様子をSNSで公開。住むことになった経緯やその公開された内部が話題になっている。
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父親はロンドン塔管理長官 “入居”は2016年
ロンドン塔の始まりは、11世紀にノルマンディー公ウイリアムが要塞として建てた建物(現在のホワイトタワー)。続く歴代君主によって増改築されたため、現在は複数の建物や塔で構成されている。長い歴史の間にはエリザベス1世といった権力争いの敵対者などを幽閉する監獄や処刑場として使われるようにもなった。
ガイドブックなどでは「血塗られた歴史」といったフレーズが定番であり、幽霊話も絶えないロンドン塔だが、実は人が住んでいる。そのリアルな生活をTikTokなどのSNSで公開しているのは、英コメディアンのトム・ホートンだ。何と彼の父親ニコラス・ホートン氏はロンドン塔管理長官で、任期が始まった2016年に“入居”したという。ちなみに任期=居住期間は5年だったが、コロナ禍で6年に伸びたそうだ。
ウェブメディア「マイ・ロンドン」によると、ロンドン塔を“自宅の住所”としている人は現在約100人。常駐の医師や“ビーフィーター”こと衛兵隊ヨーマン・ウォーダーズとその家族だそうだ。ビーフィーターになるには少なくとも22年間の兵役が必要とされ、トムの父親ニコラス氏も前職は元英国防参謀総長で陸軍大将という生え抜きの軍人だ。
トムはこれまでも父親の職業をメディアで語っていたが、SNSで“自宅”を公開し始めたのは昨年5月から。ロンドン塔での生活が特権的なことであることや、数年限定ということが分かっているので、この経験を可能な限りシェアしたかったという。
出入りは観光客と同じメインエントランスから
では、具体的にはどこに住んでいるのか? ロンドン塔は複数の塔と建物が中央のホワイトタワーを囲む形で建てられており、ホートン一家が暮らすクイーンズ・ハウスはテムズ川方面の南側に位置している。専用の通用口などはなく、観光客と同じメインエントランスのウエスト・ゲートから“家に帰る”が、唯一の違いはゲートのビーフィーターが彼の名前を知っていることだそうだ。
近衛兵が守る玄関からクイーンズ・ハウスに入ると、そこは完全に歴史の世界。世界遺産であり英王室の関連団体「ヒストリック・ロイヤル・パレス」が維持管理する建物だけに、モダンなリノベーションは当然認められない。伝統的なスタイルを維持する必要があり、1階はカーテンでテレビを隠したりしているそうだ。
2階に集中している実際の居住スペースには、大きなキッチンや複数のダイニングルーム、リビング、ベッドルームなどがある。トムの部屋も2階で、テレビを隠す必要はないプライベートな空間だ。ただし彼のベッドルームには、かつて何百人もの人が幽閉されたベル・タワーに通じているという、少し背中がぞくりとするオプションが付いている。
住人の特権は夜の散歩だが、これも怖がりの人にはあまりうれしくない話かもしれない。その代わり、朝はテラスでホワイトタワーを眺めながら朝食という、どんなにお金を払っても経験できない優雅なひと時を味わうことができる。また、ホワイトタワーにはエリザベス女王の大英帝国王冠などの宝物が保管されており、いわばお隣さんは“王冠”だ。
何ともうらやましい住環境。その背後には“それなりの家柄”という持って生まれた財産もあるが、「マイ・ロンドン」によるとトムは学生時代からコメディアンを志望しており、プロになった現在もツアーなどで活動中だ。それでも同居を選んだ理由は、やはりこのまたとない機会を利用したかったからだという。また、「自宅はロンドン塔」が「周囲からは女性に対する口説き文句だと言われる」ともユーモアを交えて語っていた。
(Hint-Pot編集部)