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水に浮かぶカワウソに3万人ドキリ 涼しげなお昼寝動画が大反響 「生きてます」
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カワウソは水面から少し顔を出すだけで呼吸が可能!
続いて、話題となった「ユーラシアカワウソ」の生態について、上野動物園教育普及課の鈴木佐知子さんに話を伺いました。
ユーラシアカワウソは、川の中流から下流、海岸線にかけて生息し、ユーラシア大陸をはじめ、アフリカ北部やスマトラ島などまで広く分布。特徴は細長い流線型の体と水かきのある足です。また目・鼻・耳が一直線に並んで顔の上の方についているため、水面から少し顔を出すだけで外の様子を見聞きしながら呼吸ができます。動画でもこれらの特徴が現れた、息継ぎをする瞬間を見ることができます。
水面に浮いたまま眠ることもできますが、上野動物園のカワウソたちはアクリル水槽の台の上や巣箱周辺、麻袋の中でも眠ることが多いそうです。夜以外だと午前の食事時間以降に眠っていることが多いそう。来園した際には、その辺りを注意深く観察してみてはいかがでしょうか。
環境破壊やペットブームで個体数が減少 危機的な状況に
愛くるしい姿が人気のカワウソですが、非常に厳しい運命をたどった、また危機的状況に置かれている種もいます。
かつて日本の各地に生息していたニホンカワウソは、生息地の破壊や乱獲が原因で、すでに絶滅種に。環境省は、2012年8月公表の第4次レッドリストでカテゴリー(ランク)を「絶滅危惧IA類(CR)」から「絶滅(EX)」に変更しました。
また、コツメカワウソは「かわいい」というイメージだけが広まり、簡単にペットとして飼えると誤解された結果、日本へ向けた密猟や密輸が社会問題に。ユーラシアカワウソについても、護岸工事やダム建設などによって生息地が失われ、生息数を減らしているそうです。このまま生息環境の破壊が続いた場合、「地域によってはニホンカワウソと同じ道をたどることにもなりかねません」と鈴木さんは警鐘を鳴らします。
こうしたカワウソの危機的状況もあり、園では毎年5月最終水曜の「世界カワウソの日」に関連ツイートを投稿。記念日を周知するとともに、カワウソを取り巻く状況について啓蒙しています。
上野動物園は現在、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、来園には事前予約が必要です。また、公式ホームページやツイッター、そしてYouTubeでも随時情報を発信中。動物たちの様子をウェブ上で楽しむことができるそうです。
先日パンダの双子が生まれたことでも大きな話題になった上野動物園。カワウソたちにも、ぜひ注目してみてくださいね。
(Hint-Pot編集部)