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ヘンリー王子の回顧録 「真実を書けばひどい人間に見える」情報筋は信憑性を疑問視
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「この本は王子として生まれた私ではなく、1人の男として書いている」とのメッセージとともに、回顧録出版を発表したヘンリー王子。発売はエリザベス女王の即位70周年記念となる来年と報じられ、大きな話題になっている。しかし、この本が世に出ることで「解禁されることがある」と英大衆紙「ザ・サン」の元エグゼクティブ・エディター、ダン・ウートン氏は主張。強力な王室内ソースから聞きつけた話とは?
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友人や家族を使ったリークや法的手段に出る可能性も
英大衆紙「デイリー・メール」が掲載したウートン氏のコラムによると、同氏はヘンリー王子の回顧録出版によって、ようやく王室スタッフ側の証言を聞けるのではないかと期待しているという。ほとんどのスタッフは当然、厳しい守秘義務を負っており、王室内の出来事を話すことはできない。
しかしウートン氏によると、「サバイバー」と呼ばれる元ヘンリー王子夫妻付きの王室スタッフたちは、回顧録の影響を懸念しているという。そして定期的に連絡を取り合い情報交換。「出版後に自分や君主制の評判を守るために、どのような手段を取ることができるかについて」すでに会話が交わされているという。
当然ながらこれまで、宮殿内で起こったロイヤルファミリーの言動がスタッフによって外に漏れるケースは抑えられてきた。ロイヤルファミリーを今後も有害なリークから守るためにも、守秘義務規定が公式に覆される可能性は低いと思われるが、今回の場合は王室側の“見逃し”もあるかもしれないという。ある関係者は次のように語っている。
「スタッフが自分の代わりに、友人や家族を使って訂正をして見て見ぬふりができるかもしれません。また、この本がスタッフ個人を不当に中傷している場合には、もちろん法的救済措置をいつでも利用できます」
さらに「ハリー(ヘンリー王子)とメーガン(妃)のスタッフは、王室に関する夫妻の最も大きな暴露について鍵を握っているので、彼らが沈黙したままでいるのは残念です」とまで述べているのだ。
メーガン妃によるいじめ疑惑が鍵に?
そしてウートン氏は、元スタッフによる証言が行われた場合、これまでにヘンリー王子とメーガン妃が主張し続けてきた“被害者としての物語”を「崩壊させる内容も含まれている」と主張する。
王室内の孤立、無視されたメンタルヘルス問題、人種差別問題など、インタビューでメーガン妃が明かした被害者としての主張が崩される可能性があるという。それはやはり妃によるスタッフいじめ疑惑が大きいようだ。
これまでは妃からのいじめを訴える文書の存在を伝えるだけで、その詳細が明かされることはなかった。ところが今回の回顧録出版を機に、妃のイメージが崩壊するようなエピソードが出現することもあり得る。
王室時代にヘンリー王子とメーガン妃の元から去って行ったのは、個人秘書のサマンサ・コーエンさん、エイミー・ピッカリルさん、2人の広報官と2人の乳母を加えた複数名。また少なくとも10人の元スタッフがいじめ疑惑に関し「証言する」と名乗りを上げており、ヘンリー王子の回顧録に対する反撃の玉数には“不足がない”状況となっているようだ。
関係者によると、王子夫妻が敵対したスタッフの信用を公に落とそうとしたやり方は特に不愉快で反感を買い、現在に至っても多くのスタッフから悪印象を持たれているという。
ウートン氏はコラムの最後に関係者の言葉を紹介。「プリンス・ハリーとメーガンの元スタッフの多くは、この本に『本当の真実』が書かれているのか疑っています。なぜなら、もし本当に真実が書かれているのであれば、ハリーとメーガンがずいぶんひどい人間に見えることになるからです」と、王室関係者の中にはすでに、この本の信憑性に疑問を持っている人物がいることを示唆していた。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)