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ヘンリー王子が天然キャラの風刺アニメ ジョージ王子らの描き方に批判の声も
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ロイヤルファミリーが風刺の対象となるのは無論、今回が初めてではない。しかし、米ケーブルテレビ局の動画配信サービス「HBO Max」が制作した王室風刺アニメ「The Prince」の予告編が物議を醸している。それはウイリアム王子夫妻の子どもたちの3人、ジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子の“不遜”な描かれ方だ。そのため、子どもたちを巻き込んだ米国人プロデューサーの手法にも非難の声が。また、ヘンリー王子もカリフォルニアの引っ越し先で「ここは僕が住んだ中で一番小さな宮殿だ」とメーガン妃に語りかける場面が公開されている。
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評論家は子どもをネタとして扱ったことに注意喚起
29日からストリーミングが開始された風刺アニメ「The Prince」は、ウイリアム王子とキャサリン妃の長男で、王位継承順位第3位のジョージ王子が主人公。ジョージ王子は高価な趣味を持ち、ユーモアのセンスがなく、家族のことを良く思っていない子どもの暴君として描かれている。
予告編を見るとロイヤルファミリーが辛辣に皮肉られており、もちろんカリフォルニアに移住したばかりのヘンリー王子も登場する。王子は部屋の中で「ここは僕が住んだ中で一番小さな宮殿だ」とつぶやくように語りかけると、「だってここはアパートよ」とメーガン妃が困惑顔で対応。米国に移住しても英国の王室生活が続くものと思っている呑気な王子が描かれている。
しかも、そのヘンリー王子役の声優を務めるのは、英有名俳優で王子一家との親交も伝えられるオランド・ブルーム。他にも豪華俳優陣が名を連ね、制作発表された時から大きな話題となっていた。
英大衆紙「デイリー・メール」電子版が掲載した記事によると、この作品は米ヒットアニメ「Family Guy」のコンサルティングプロデューサーと脚本を務めたゲイリー・ジャネッティ氏が、500万ポンド(約7億8500万円)もの予算をかけて制作した新作アニメ。しかし、批判の声が巻き起こっているという。
それはウイリアム王子3人の子どもたちの描かれ方だ。主役のジョージ王子は言わずもがな。シャーロット王女もわがままキャラで、ルイ王子も非常に粗暴に描かれており、不評を呼んだ。
テレビ評論家のキャサリン・シン氏は「ジョージ(王子)はまだ子どもで、こうした風刺に対応できないということを頭に入れておくべきです」と発言。さらに「しかし自分がどういう風に描かれているか、それは理解できる年齢です」とも語り、子どもをネタにした米国人プロデューサーに注意喚起した。
その一方で、声優として「ジョージ王子」を演じてもいるジャネッティ氏は「彼(ジョージ王子)も“すごく面白い”と思ってくれると願っている。こうした風刺も愛情があってのもの。ユーモアのセンスを持って応じてほしい」とツイッターに投稿して、周囲の理解を求めている。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)