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「親不孝者!」 2年連続帰省叶わず親に罵られる人も コロナ禍のお盆どう過ごす?
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コロナ禍のまま迎えた2度目の夏。自粛疲れやあまり良くない意味での慣れに加え、ワクチン接種率が増加したためか、緊急事態宣言後の東京では人出の減少幅が前回に比べて小さいと警鐘が鳴らされています。しかし8月のお盆休みも近付き、昨夏とは打って変わって「帰省」を求められる動きもあるようです。「帰省を強いられて困った」という女性に話を伺いました。
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子どもたちが楽しむ写真を送付 義母から非難めいた言葉が
東京都在住の与里子さん(仮名・45歳)は、3人の子を持つベテラン薬剤師。毎年のお盆時期には子どもたちと夫の実家に帰省していましたが、昨夏はコロナ禍を受けて帰省の自粛を決めました。
ところが、夫や子どもたちは帰省を熱望。そこで、与里子さんを除く4人だけでの帰省を考えていると義母に連絡したところ、義母からは「感染が怖いから帰ってこないで!」との返事がありました。こうして一家全員、帰省は見送りになったそうです。
「子どもたちのために、夜は庭で小さな花火を楽しんだり、休みの日はビニールプールを出したりして、どうにかこうにか退屈させることなく自宅で過ごしました」
与里子さんと義母の関係は元々決して悪くなく、毎年の帰省も苦ではなかったそう。昨年は図らずも帰省できなくなってしまった代わりに、子どもたちが花火やプールで楽しんでいる写真を撮影しては、義父母宛てに送りました。しかし、義母の対応は驚くべきものだったのです。
「義母から『苦しんでいる人がたくさんいるのに、遊びにうつつを抜かしているなんて』と非難めいた返事が届きました。良かれと思って送っていた私はびっくり仰天。夫に見せたら義母の『悪いクセが出た』と苦笑い。これまでは義母なりに猫をかぶっていてくれたんだ、なんて思ったものでした」
早々に今夏の帰省も諦めるも義母が納得せず…
その後もお正月はもちろん、春休みやゴールデンウィークもコロナ禍が収まらなかったため、帰省できないままだった与里子さん一家。今年の夏休みも早めの段階で帰省を断念していましたが、昨年にあれほど帰省を嫌がった義母が一転して「NO」を突き付けてきました。
「夫が6月早々に『今年の夏も帰省しない』と連絡しました。すると義母が怒ってしまったんです。『2年も続けて帰ってこないなんて、この親不孝者!』と電話口で怒鳴る義母の声が、夫の隣にいた私にも聞こえてきました。夫は慣れた様子でなだめていましたが、義母は納得せず『こんなことなら、東京に出すんじゃなかった!』と捨て台詞とともに電話が切れたんです」
その後、義父からも夫宛てに「母さんが泣いてるぞ」との連絡があったそうですが、帰省しない理由を説明すると納得した様子。義母の説得は義父に任せることにしましたが、夏休みに入った今でも帰省を催促する連絡がしつこく届くそうです。
「夫が矢面に立って断り続けてくれるのが救いです。思いがけず義母の本性を知ることになりましたが、夫が忍耐強い性格になった理由も分かった気がします」
「今年は帰ってこいって親に言われた」なんて声もちらほら聞こえていましたが、8月のお盆シーズンを前に感染は急拡大。今年の帰省を急遽取りやめにした人も多いかもしれません。自分の大切な人たちを守るためにもむやみに出歩かず、引き続き感染対策を徹底しましょう。
(和栗 恵)