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ヘンリー王子とメーガン妃なぜ沈黙 家族風刺の“残酷なアニメ”に抗議しない理由とは

著者:森 昌利

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ヘンリー王子とメーガン妃【写真:AP】
ヘンリー王子とメーガン妃【写真:AP】

 制作費500万ポンド(約7億8500万円)といわれる、英王室をモデルにした風刺アニメ「The Prince」。ロイヤルファミリーの面々を模したキャラクターが辛辣な表現で描かれているこのアニメについて、米国在住のヘンリー王子夫妻が抗議する気配はない。それに対し、著名な王室専門家が疑問の声を投げかけている。

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幼いジョージ王子の描き方が物議を醸しているが…

「もしもハリー(ヘンリー王子の愛称)とメーガン(妃)が本当にメンタルヘルスを心配するなら、なぜ(甥の)ジョージ王子に一生の傷を負わせる可能性のある残酷な米国のアニメに対して沈黙を守るのか」

 そんな衝撃的なタイトルが英大衆紙「デイリー・メール」の電子版に踊った。書き手は英大衆紙「ザ・サン」の元エグゼクティブ・エディターで、英王室記者として高い知名度を誇るダン・ウートン氏だ。

 この「残酷な米国のアニメ」とは、米HBO Maxが制作した新作アニメ「The Prince」のこと。英王室を風刺した作品はこれまでも存在するが、本作は主人公を「ジョージ王子」とした上にかなり特徴的なキャラクターとして描かれているため、まだ子どもである王子を標的にしたなどと物議を醸している。

 そこでウートン氏は、メディアの横暴や過剰な批判に猛反対し、メンタルヘルス問題に取り組んでいるはずのヘンリー王子夫妻が、配信開始から数日経っても沈黙を守っていることを疑問視した。

 王子夫妻の真意として挙げた第一の理由は、ヘンリー王子の“ご近所さん”で親交があるという英俳優オーランド・ブルームが「ハリー王子」の声を担当していること。友人が参加する作品には文句は言えないということだ。

 そして第二の理由は、この作品がジョージ王子をはじめ、ヘンリー王子夫妻がライバル視するウイリアム王子一家を標的にしていることだという。

 ウイリアム王子夫妻の子どもたちは3人とも登場しており、ジョージ王子以外にシャーロット王女とルイ王子も茶化されている。しかし、ヘンリー王子夫妻の子どもたち、アーチーくんとリリベットちゃんは一切登場しない。

 また、風刺アニメであることを考えれば、王室を“引退”したヘンリー王子とメーガン妃の方が絶好のネタになりそうではあるが、その登場シーンはごく一部。しかも、王子は少しばかり鈍感、メーガン妃は穏やかな野心家として描かれているのが印象的だ。

 同氏は、何よりも大切な子どもたちを標的にされたウイリアム王子夫妻が、怒りの矛先をヘンリー王子夫妻に向けるだろうと懸念している。そして「もし、ハリーとメーガンがこのような卑劣なシリーズに反対の声を上げないのであれば、二度とメディアを批判することはできないでしょう」と締めくくった。

(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)