漫画
赤いランドセルを欲しがる息子の一言 親の不安を吹き飛ばす漫画に2万人感動
公開日: / 更新日:
「小学校入学を控えた我が子のために情報収集し、お気に入りのランドセルを購入するための活動」、略して“ラン活”。最近は、入学前年の夏頃に購入する家庭も多いそうです。予算やメーカーなど、悩みどころはたくさん。もちろん子どもの希望が一番大切ですが、近年は色やデザインのバリエーションが豊富なため、“個性的”な色やデザインを我が子が選んだ場合の方針も念のため決めておいた方がいいかもしれません。そんなランドセルの色選びについて、目からウロコの素敵な考え方を教えてくれる漫画がインスタグラムで話題になっています。作者のしろくま(shirokuma_811)さんに話を伺いました。
◇ ◇ ◇
「周りはどう思う?」 即決できなかったという作者
しっかり者だけど雷の時はさりげなくおへそを隠す5歳のぎんくんと、「ママ大好き!」な甘えん坊3歳のつんくん。しろくまさんの子どもたちはとってもキュートな兄弟です。2人の成長が描かれる漫画は「読んでいるだけで癒やされる!」と大きな人気を集めています。
しろくまさんは最近まで、来年4月の小学校入学を控えた長男ぎんくんのために“ラン活”をしていたそう。そこでぎんくんが選んだランドセルの色は「赤」でした。
一般社団法人日本鞄協会ランドセル工業会の「ランドセル購入に関する調査 2021年」によると、女子は紫/薄紫、赤、桃色が各20%前後を占め分散していますが、男子は6割以上が黒を選択。男の子にとって未だに黒のランドセルは王道カラーのようです。
しろくまさんご夫婦はぎんくんの意見を尊重したい一方で、「男は黒 女は赤←この決め付けは嫌だけど周りはどう思う?」「友達から何か言われたりしない?」「6年生まで使えるの?」など、心配が尽きず即決とはいかなかったそう。
そこで「男の子は黒のランドセルの子が多いし、赤いランドセルは女の子が持ってることが多いよ。それでも平気?」と本人に尋ねます。すると、ぎんくんの答えは、大人たちの考え以上にとてもニュートラルで、柔軟性に富んだものでした。
「たまーに赤いランドセルがいてもいいじゃんっ」
ぎんくんの答えに目からウロコが落ちたというしろくまさん。このエピソードは大きな反響を呼び、2.2万件もの“いいね”が。また、「好きな色をしっかり親に伝えられるなんて、素敵なお子さん」「かっこいい! 戦隊モノも真ん中は赤だもんね」「その考え方、最高! いい時代になったなあ」といった感動のコメントが集まりました。
友人の経験を聞いて子どもの意見を尊重することを決意
しろくまさんに、漫画についての詳しいお話を伺いました。
Q. この漫画を描いた理由を教えてください!
「理由は単純に、長男の考えが素敵だなと思ったからです。あと、私のように子どものランドセルのことで悩んでいる方に、『こういう考え方もあるのか』と参考にしてもらえたらいいなと思って描きました」
Q. ぎんくんは以前から赤が好きだったのですか?
「1年くらい前から、好きな色は赤でした。『青も黒も好きだけど、一番は赤!』と言っていました」
Q. 色を決めるまで、どれくらい悩まれましたか?
「一晩じっくり考えました。一度は、長男の第2希望である黒メインで赤ラインの入ったランドセルを買おうと思いましたが、『このまま長男の第1希望を無視して決めていいのか?』と思い直し、赤いランドセルを買った男の子の体験談(?)などをネットで探して読んだりしました。
あとは友達が、『娘は紫や水色のランドセルが本当は欲しかったけれど、夫と義母が反対。赤(濃いピンク)のランドセルを選ぶよう誘導して購入した。でも、本当にそれで良かったのか後悔してる』と話してくれたのが大きな決め手になりました。そうして夫と話し、『長男が希望するランドセルを買おう』ということになりました」
Q. ぎんくんが決めたランドセルの色について、周りの方の反応はいかがですか?
「まだあまり周りには言ってないです。ランドセルを買ったという話はしても、『何色?』という話にまでならないので(これも男の子だからかな?)。姉には話しましたが、『かっこいいじゃん!』と言ってもらえました」
Q. 印象に残った読者の感想や、感想を読んで思ったことなどを教えてください。
「『自分も同じことで悩んでいたが、記事を見て大丈夫と思えた』や、『周りの子も、こんな色のランドセルを背負っていて素敵だよ』と感想をもらいました。やはり『赤に決めて良かったのかな』という思いがわずかながらあったので、コメントで皆さんに認めていただけたような気がしてうれしかったです。
あとは、『私自身も、女性ですが自分で選んで黒いランドセルを背負ってました』という方もメッセージをくださって。『もし周りから何か言われることがあっても、ランドセルを選んだ時の気持ちを忘れずに小学校生活を楽しんでください』と言っていただいてうれしかったです」
「こうあるべき」という大人の考えではなく、息子さんの感性を大切にした素敵なエピソード。“ラン活”は誰もが自分らしく、生きやすい社会について親子で考えるきっかけになるかもしれません。
(Hint-Pot編集部)