仕事・人生
37歳で目覚めた美ボディ競技 初優勝と同時にがんとの闘い…怒涛の7年間を語る
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さまざまな分野で活躍する女性たち……と聞くと、「自分とは異なる世界で生きている」「自分とは違う特別な人なのでは」と、まったく関係のない話だと感じてしまう方が多いかもしれません。とはいえ、「生きる」中で感じることや苦悩は、どのような立場でも存在しています。そんな彼女たちにスポットライトを当て、それぞれの人生を紐解く連載が「私のビハインドストーリー」。第3回(前編)は、ミセスワールド日本代表という称号を持ちながらも、37歳で「ビキニフィットネス」という美ボディを極める競技に目覚めた長瀬陽子さんです。
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「女性が美しくあれる場所を提供したい」とパーティーを企画・運営
「5年前まで筋肉なんてまったくない痩せっぽちだったんですよ」
そう笑う長瀬さんですが、現在はまるでギリシャ彫刻のようなくびれと引き締まった美ボディの持ち主。筋肉美とともに女性らしい健康的な美しさを競う「ビキニフィットネス」界では誰もが知る存在で、日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)主催の「全日本ビキニフィットネス選手権」では2018年から2連覇を果たした実力者です。コロナ禍の影響で2年ぶりに開催される9月5日の「ALL JAPANビキニフィットネス選手権大会」には、参戦を予定しています。
日々のトレーニングで鍛え上げられた筋肉がまばゆいばかりですが、7年前までは運動と無縁の主婦だったといいます。美術系の高校・大学で学び、卒業後はデザイン会社に就職。ストレスによる体調不良もあって結婚から半年後に退職したものの、じっとはしていられませんでした。
米ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」が再流行していた当時は、ちょっとおしゃれな女子会ブーム。大学でテキスタイルデザインを専攻していたこともあり、海外からお手軽価格のドレスを輸入販売したり、デザイナーの友人と一緒にオンライン上でドレスのセミオーダーメイド販売をしたりするウェブサイトを運営していました。
さらに、日本ではロングドレスやイブニングドレスを着る機会が少ないとパーティーも企画・運営。「多くの女性が美しくあれる場所を提供したいという思いでしたね」と当時を振り返ります。