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ヘンリー王子と“天敵”がバッティング 英誌イベントにリモートでサプライズ出演
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ヘンリー王子は英国時間1日夜、英ロンドンで開催された英雑誌のアワードイベントにリモートでサプライズ出演。新型コロナウイルスワクチンの世界的な普及促進などを訴えた。先月のポロ試合出場に続く公の場となったが、偶然にも出席者の中には“天敵”の姿があったようだ。
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撮影場所は米カリフォルニア州の豪邸か
ヘンリー王子がリモートでサプライズ出演したイベントは、英雑誌「GQ」のアワードイベント「2021 British GQ Men of Year Awards」。複数メディアの報道によると、蝶ネクタイにタキシードという正装で現れた王子は、「ニュースメディアとソーシャルメディアで嘘と恐怖を拡散した人々」が、ワクチン接種に対する人々の躊躇を増長させたと非難した。
「一丸となってこの不均衡に対処しない限り、我々がともに前へ進むことはできません。同時に世界中のファミリーが、ニュースメディアとソーシャルメディアから流れる大量の誤った情報に圧倒されています。そこでは、(新型コロナウイルス)ワクチンの接種を躊躇させるような嘘と恐怖が拡散されているのです。その結果、コミュニティは分断され、信頼が損なわれています」
また、貧困国の人々がワクチンを接種できるように、「政府がもっとアクションを起こすべきである」と促した。さらに「Heroes of the Year Award(今年のヒーロー賞)」を英オックスフォード/アストラゼネカのワクチンを開発した、オックスフォード大学のセーラ・ギルバート教授とキャサリン・グリーン准教授とその開発チームに授与した。
ちなみに、王子の背後には白い壁と白い大輪のバラが生けられた大きな花瓶が設置されていた。英大衆紙「デイリー・メール」が掲載した記事によると、撮影場所は米カリフォルニア州の豪邸とみられている。
同日に“勝利宣言”したピアーズ・モーガン氏が会場に
ここまでの部分は、いつもの王子らしいメディア露出といえるだろう。だが、「メール」紙によると、このメッセージをロンドンで観ていたイベント参加者の中には、何と英有名司会者のピアーズ・モーガン氏が含まれていた。
同氏はヘンリー王子の妻メーガン妃の“天敵”とされる人物。英民放ITVの朝番組「グッド・モーニング・ブリテン」(3月8日放送回)では、暴露インタビューで妃が主張した内容を「信じない」と発言し、ITV側の謝罪要請を拒否した上で番組を降板した。この発言があった放送回は、英国でテレビやラジオを規制する機関「Ofcom」に苦情申立てが殺到。妃自身もITVなどに抗議したと報じられている。
だが、今回のイベントが開催された同日の午前、Ofcomはこの放送回が放送コードに「違反していない」とする決定を発表。モーガン氏は「信じない」と主張する言論の自由が認められたと“勝利宣言”をしていた。ちなみに、この時に英大衆紙「ザ・サン」などが同氏の自宅前で収録したコメント動画では、今回のイベントに出席するためのスーツ姿だった。
果たして同氏はこの夜、どのような気持ちで王子のサプライズ出演を観ていたのだろうか。また、この場で「ニュースメディアとソーシャルメディアから流れる大量の誤った情報」を批判した王子の心境も気になるところだ。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)