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話せば話すほど…婚活アプリで結婚詐欺未遂に遭った女性 対面時に覚えた違和感

公開日:  /  更新日:

著者:五十嵐 べる

何かがおかしい……やりとりを重ねる中で抱いた違和感とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
何かがおかしい……やりとりを重ねる中で抱いた違和感とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 コロナ禍の影響で実際に対面できる“出会いの場”が減少していることから、マッチングアプリの人気が上昇しているそうです。その一方で、これを悪用した詐欺も増加しているとのこと。果たしてその実態は? そこで3回にわたり、のちに逮捕された男性とやりとりをしたという40代女性ライターの体験談をお届けします。2回目の今回は、初対面時に覚えた違和感を赤裸々に語っていただきました。

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「部下は100人、メールは1日1000通」語られた華麗な経歴に心中でツッコミ

 マッチングアプリでの婚活中、商社勤務を自称する男性から“いいね”が届いたことがきっかけで、メッセージを交わすようになりました。基本情報とプロフィールに引っかかる部分はあったものの、とんとん拍子で仕事帰りの対面が決定します。

 しかし、目の前に現れたのは想像とかけ離れた中年男性――。「商社マンには見えないけど……背は高いかも。ま、見た目が“ぽくない”から結婚せずに残っているのかもしれないし……」と思ってしまう自分がいる一方、「いやいや、そんな斜にかまえてはいけない」とうまくいかない婚活経験でうがった見方になっている自分を律したのでした。

 この時に男性が使用した名前はもちろん偽名でした。そして語られた経歴は実に華やかです。練馬区出身で高校から名門大の付属校に通い、大学に内部進学。卒業後は大手商社に入社し、学生時代から交際していた女性がいたものの、30歳目前に振られたそう。

 その後は米ニューヨーク転勤を経て4、5年前に帰国しましたが、役職付きになると社内で結婚相手を探すわけにもいかず、今に至るとのことでした。

「毎年お正月に地元の中学時代の同級生と会うんだけど、女友達がね、僕のこと『顔は散らかってるけど、悪くはないよね!』って言うんです」

「顔が散らかってる」って表現……私の知っている○○大卒業生はそんな風に卑下しない――。話しているうちに、だんだん私の中の腹黒い“クロミちゃん”が発動し始めます。

「僕は英語できないけど、部下がやってくれるから」と言われると、“仕事ができるのに謙虚な人”と思えました。ですが、「部下が100人いて、メールが1日1000件来る」「店はアシスタントが予約してくれたから名前が違う」などと聞くと、心の中で「いくらなんでもメール1000件は盛りすぎでしょ」「そんなプライベートなことまでお願いする?」と次々と突っ込んでしまいます。

 他にも、私が「同じ会社に勤めている先輩を知っている」と言うと、「社員が2000人もいるからビルが違うと分からない」とはぐらかされます。商社はそこまで大量採用じゃないし、縦社会なのですぐに分かるはず……という疑念も湧き上がりました。

 そうして食事会は、ところどころに「ん?」となる部分を残しつつも終了。LINEの連絡先を交換し、その後のやりとりはマッチングアプリから離れたのです。