仕事・人生
【私の家族】田中美奈子 バブル期人気の裏で動物愛護団体を設立 愛犬を通じて子に伝えたいこと
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32歳で動物愛護団体を起ち上げ 保護活動や障害者の雇用創出につなげたい
猫をたくさん飼っていると、猫から学ぶこともたくさんありました。猫って自分勝手でマイペースというイメージですが、実際は新参猫が来たり赤ちゃん猫が産まれたりすると、先にいた猫たちが面倒をみたり遊び方を教えたりするんですよ。お尻をなめてオシッコやウンチを促してあげたり、トイレを譲ってあげたり、ジャレ棒をくわえて持ってきて、遊び方を教えてあげたり。そういう姿を見ると感動しますね。自分の子でさえ虐待してしまう人間もいるのに、猫の方が尊いなって思ったりします。
ハニーとランの長女猫は流産を2回経験しました。そのためなかなか子どもに恵まれなかったのに、きょうだい猫が赤ちゃんを産むとすごくよく面倒をみてあげていたんです。きょうだい猫がお産の後に赤ちゃん猫のそばを離れていると「そろそろミルクの時間だよ」という風に赤ちゃん猫のそばまで連れて行ったり。
3回目の妊娠でようやく1匹男の子を産むことができて、本当に良かったなと思いました。でも、ハニーとランの血筋を受け継ぐ子たちは、もうみんな他界してしまいました。去勢や避妊をしてしたので、気付いたら誰もいなくなっていてショックでしたね。
動物を家族として迎えるだけではなく、32歳の時に動物愛護団体「elf(エルフ、現・NPO法人Ever Lasting Friends)」を起ち上げ、捨て犬や捨て猫の保護、譲渡会の開催、ドッグカフェの運営などをしていました。
2007年に夫と結婚して子どもたちが生まれてからは、それまでのような活動ができなくなったのですが、トークショーやフードの寄付は続けています。また、11年の東日本大震災の時は被災地を3度訪問し、ペットフードとトイレシートだけでなく、人間の赤ちゃんのおむつや粉ミルク、化粧品を届けました。それと同時に、ペットと避難している方たちのご要望を聞いたりもしました。
そして今、子どもたちが大きくなってきたので、これからもっと力を入れていきたいと思っています。新型コロナウイルスの流行で遅れているのですが、ある財団の方とコラボし、某所でワンちゃん猫ちゃんの保護活動や障害者の雇用創出、観光の活性化などにもつなげていきたいと話し合っているんです。
思い立ったら動いちゃう性格で(笑)。いろいろやりたいことがあるのですが、1度しかない人生なので、「これは」と思うことはやれることから1つずつやりたいなと思っています。
(中野 裕子)