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腸内に住む代表的な細菌とは? LA在住ナチュラリストに学ぶ「腸活」の基礎知識

公開日:  /  更新日:

著者:小田島 勢子

大腸内は無酸素状態 それでも活動し体を守ってくれる菌たち

次女が描いた、腸内で活躍する菌の図【写真:小田島勢子】
次女が描いた、腸内で活躍する菌の図【写真:小田島勢子】

 さて、「腸内フローラ」とは一体どこにあるのでしょうか。その場所は、特に小腸から大腸にかけてのようです。

 代表的な“顔ぶれ”として、例えば納豆を作り出す枯草菌や酵母(他にもたくさん!)が挙げられます。人間同様に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出して生命活動を行っている菌たちです。「芽胞」と呼ばれる細胞構造を持つ納豆菌は、耐久性が高く胃酸にも耐えることができるため、胃を通過して腸にまで達して活動をします。

 そうした菌たちはその一生を終えると、乳酸菌やビフィズス菌のエサになりながら、最後は便として体外に排出されます。

 小腸には多少の酸素がありますが、大腸はほぼ無酸素状態です。この部分で主に活動をするのが乳酸菌。乳酸菌はとても不思議な子で、有酸素でも無酸素状態でも生命活動を行います(個人的には無酸素で育てた乳酸菌の方が味わい深いです)。

 また大腸の中では、ビフィズス菌と酪酸菌も活躍しています。この2つは無酸素状態でも生命活動を行い、代謝物として人間の代謝や免疫に大きく関わるビタミンB群や葉酸、酪酸を作り出しているのです。

 こんな風に、それぞれの菌がそれぞれの性質を生かし、群れを成して人間たちの外側、内側で共存しています。だからこそ、私たちは今日も健やかに太陽の光や小鳥のさえずり、さわやかな風などを感じられるのです。

 それでは最後に。今日のお通じはいかがでしたか? 排出される便の半分は“菌の亡骸”と言われています。感謝しながら流してくださいね。

参照:厚生労働省e-ヘルスネット
   公益財団法人 腸内細菌学会

(小田島 勢子)

小田島 勢子(おだしま・せいこ)

ナチュラリスト。結婚を機に2004年に南カリフォルニア州へ移住し、3人の女の子を米国で出産。ロサンゼルスの片田舎でバックヤードに鶏たちと豚のスイ、犬のトウフとともに自然に囲まれた生活を送る。母になったことをきっかけに食や環境の大切さを改めて感じ、できることからコツコツと、手作り調味料や発酵食品、スーパーフードやリビングフードを取り入れた食生活をメインに、食べるものは「できるだけ子どもと一緒に作る」「残さない」がモットー。2015年に「RUSTIC」を設立。日本で取得した調理師の知識や経験を生かして食のアドバイザー、ライフスタイルのコーディネーターとして活動。日米プロスポーツ選手やアクション映画俳優の身体作りのアドバイザー、みそ、お酢、漬け物など発酵食品作りの講師、創作料理のケータリングなど幅広い分野で活躍。
https://rusticfarmla.com/