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10月2日は豆腐の日 歴史やおいしい食べ方、保存のコツなどを栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実
古くから日本の食卓に親しまれてきた豆腐。暑い時期の冷ややっこもおいしいですが、寒くなってくると鍋料理や汁物などの温かい料理にも欠かせませんよね。10月2日は「10(とう)2(ふ)」の語呂合わせから、日本豆腐協会が「豆腐の日」に制定しています。記念日にちなみ、今さら聞けない豆腐についての豆知識を栄養士の和漢歩実さんに伺いました。
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豆腐とは 江戸時代には料理本が大人気
豆腐は2000年ほど前の中国が発祥の地とされています。諸説ありますが、日本に伝わった時期は奈良時代とみられ、主に僧侶や貴族の間で食されてきました。江戸時代になると「豆腐百珍」をはじめ豆腐料理の専門書が出版されるなど、庶民の間でも広く親しまれる食品になったようです。
「腐」という文字が使われているのですが、腐った食べ物ではありません。中国語で「腐」は「ぷよぷよしたもの」という意味もあることから、「豆がぷよぷよしたもの」として「豆腐」になったという説もあります。
「木綿」「絹ごし」「充填」製法で違う豆腐の種類
豆腐は製法の違いで大きく3つに分けられます。昔からある木綿豆腐と絹ごし豆腐に加えて、最近スーパーなどでよく見かけるのが充填豆腐ですが、いずれも最初の工程は基本的に同じです。
1. 一晩水に浸けておいた大豆を砕き、水を加えて煮込む
2. 煮上がったらこして豆乳とおからに分ける
3. 豆乳を使って豆腐を作る
3種類の違いは、豆乳から豆腐を作る際の工程にあります。
○木綿豆腐
最も一般的な昔からの作り方です。70~80度まで加熱した豆乳に凝固剤(にがりなど)を入れてある程度固め、次にそれを穴の開いた型に入れ、重しをして水分を抜きながら固めます。この型に木綿の布を敷いていたことから「木綿」の呼び名が付いたそうです。
○絹ごし豆腐
穴のない型に入れた豆乳に凝固剤を加えてそのまま固めます。水分を抜かないため木綿豆腐よりも濃い豆乳を使うのが一般的です。実際には絹布でこしていませんが、なめらかな見た目と食感から、木綿に対して「絹」の名前が付きました。
○充填豆腐
いったん冷やした豆乳に凝固剤を加えて直接パックに入れ、密封してパックごと加熱して固めてからもう一度冷却します。密封したパックの中で凝固から加熱殺菌まで行われているため、日持ちするのが特徴です。原材料名などが書かれている食品表示ラベルの「名称」には「充填豆腐」と表記され、木綿豆腐や絹ごし豆腐のようにパックに水は入っていません。