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97歳でウェディングドレスを着た新婦 その理由に感動殺到 「息を呑むような瞬間」
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もし人生で残された時間がわずかになったら……“人生でやり残したこと”として、一体何が思い浮かぶでしょうか? 77回目の記念日に結婚式を挙げた夫婦。米アイオワ州にあるホスピスで行われた、心温まるターミナルケアが大きな話題になっています。
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誓いのキスや背後から抱きしめるカットも
患者やその家族の声に耳を傾け、寄り添ったケアをすることで評判の米アイオワ州セント・クロイ・ホスピス。この施設に入院中のフランキー・キングさんは先月24日、77回目の結婚記念日を迎えました。
97歳のフランキーさんは長年連れ添った夫とこれまで何度も記念日を迎えてきました。しかし、今年の記念日はひときわ特別なものになったようです。
施設のフェイスブック投稿によると、1944年に結婚したフランキーさんは当時、ウェディングドレスを持っていなかったそう。第二次世界大戦の末期だったため、さまざまな事情からドレスを着ることができなかったのでしょう。
そこで施設のスタッフたちは、フランキーさんのためにウェディングドレスを用意。結婚式を再現するなど、特別な結婚記念日のお祝いを計画しました。
記念日当日、フランキーさんは娘のスー・ビロドウさんの助けを得ながら、念願のウェディングドレスを着用。娘に手を取られ外に出てみると、そこには花に囲まれた仮設の祭壇が用意されていました。その前では、空軍の軍服に身を包んだ夫が待っていたのです。
そして音楽療法士によって40年代の名曲が演奏される中、フランキーさんは娘と一緒に、たった1人の真実の愛に向かって「バージンロード」を歩きました。
投稿には、花々の刺繍が施されたクラシカルなウェディングドレス姿で、ユーカリの葉と白い花で作られた上品なブーケを握ったフランキーさんの姿が。また、背後から夫を抱きしめるカットや仮設祭壇の前で誓いのキスをする2人の姿も収められています。
米雑誌「ピープル」は、2人の写真を撮影したホスピススタッフのヒラリー・ミケルソンさんのコメントを掲載しています。
「この素敵なカップルの感動に立ち会うことができたこと、そして彼らのためにイベントを準備したスタッフの愛と思いやりを目の当たりにして、カメラをかまえながら泣かないようにするのがとても大変でした」
また、娘のビロドウさんは「この日を実現してくれたセント・クロイ(・ホスピス)の素晴らしいスタッフに、私たち家族は言葉では言い表せないほどの感謝の気持ちを抱いています」「式の前に鏡を見る母、そして美しいドレスを着た母を見た父の輝く笑顔を見ただけで、涙が出てきました。涙で見えませんでした」と、この日の感動をSNSに綴りました。
同施設のフェイスブック投稿は大きな反響を呼び、1.5万件ものシェアが。また、1000件を超える感想が寄せられています。
「息を呑むような瞬間がさまざまな形でとらえられている」
「これは美しい! 結局のところ、(人生において)本当に重要なのは人間関係です。私たちが大切にする瞬間、そして永遠に残すことのできる思い出……」
「77周年おめでとう フランキー……願いが叶いましたね。新しいウェディングドレスを着て、美しい新婦さんになってね。ハンサムな同じ新郎と2度目の結婚をするというのは、素晴らしいお祝いの仕方ですね。おふたりに神のご加護があらんことを」
同施設は「ホスピスとは患者さんの人生全体を尊重し、さらに物語を加えていくことです」と投稿を締めくくっています。
(Hint-Pot編集部)