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「1人じゃない!」と思えたつながり 美馬アンナさんオンラインイベントで実現した“共感”
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「Hint-Pot」の対談シリーズを通じて、障害についての理解や知識を深めている女優・タレントの美馬アンナさん。愛息「ミニっち」が右手首から先がない先天性上肢形成不全で生まれたことをきっかけに、自身のSNSやメディアを通じて障害に関するさまざまな発信を続けています。今回は9月30日に開催した無料オンラインイベントの様子をご紹介。障害のあるお子様を持つご家族や障害のある方ご本人との交流から、また新しい気付きを得たようです。
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対談シリーズ・スピンオフ 障害について学びを深めるイベント開催
アンナさんには大きな夢があります。それは、障害の有無にかかわらず、子どもたちが広くいろいろな競技を体験できるスポーツイベントを開催すること。もちろん、競技を教えるインストラクターや会場を支える運営スタッフも、障害の有無は一切関係ありません。
なぜスポーツイベントなのかというと、プロ野球選手の夫(千葉ロッテマリーンズ所属の美馬学投手)からスポーツが持つ人と人とをつなぐ力の大きさを実感しているから。互いの違いを認め、助け合いながら、目標に向かって進む。「健常者」「障害者」の区別がない社会の実現に、スポーツが大きく貢献できるはずと信じています。
また、出産後間もなく絶望の淵に立ったアンナさんは、SNSやメディアで発信する“先輩”家族や障害がある方々から勇気や希望の光を受け取りました。だからこそ今は、次の誰かにそれらをつないでいきたいと考えています。
そこで「考えるばかりではなく実行しよう!」と、9月30日に無料オンラインイベントを開催しました。それが「~誰かのために 自分のために 心と心が寄り添う時間~美馬アンナさんと障害について学ぶ“Heart to Heart” Vol.1」です。
SNSではポジティブな投稿も「今でも落ち込むことはあります」
いよいよ迎えたイベント当日。画面越しながらも参加者の皆さんとの対面を楽しみにしていたアンナさんは、スタート前からはみ出しそうな笑顔です。まずは、公開インタビュー形式で自身の出産から現在に至るまでの経験を明かしてくれました。
「SNSの投稿から、私のことをポジティブ母ちゃんだと思っていらっしゃる方も多いでしょうが(笑)、私も絶望を感じた時期はありましたし、今でも落ち込むことはあります」
出産直後に息子の右手がないことを知った瞬間、ネガティブな考えしか湧かない中で出会ったパラ水泳・一ノ瀬メイ選手の前向きな潔さ。また、息子の将来について感じる不安や夫の全面的なサポートと理解など、ありのままの姿を語りました。
また、「生まれつき手がない子どもにとっては手がない姿が100%。何かが欠けているわけじゃない」という考え方など、対談シリーズで得た学びについても思いを伝えていました。
参加者から事前に寄せられた質問に答えるコーナーでは、美馬家の育児方針が明かされる場面もありました。まず夫の美馬投手は「息子がかわいくて仕方がない」そうで、「とにかく甘やかしています」とのこと。また、子育てを助けてくれるアンナさんのご両親も、孫は目に入れても痛くない様子だそうです。
しかしそこでアンナさんは「全員が甘やかしたら勘違いをして、自分で何もしなくなってしまうと思うんです。だから、私は厳しく、転んでも自分で起き上がるまで待っています」と、母親として異なるスタンスを取っていると明かしました。そうすることで、今では公園で転んで泣き始めてもあっという間に泣きやんで、また元気に遊び始めるようになったそう。「子どもってたくましいですね」と優しい母の顔も見せていました。