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ウイリアム王子が不正に怒り見せたダイアナ元妃インタビュー 人気王室ドラマで再現か
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ダイアナ元妃に出演を承諾させる過程で、担当記者が説得用の書類を偽造したとされる1995年のインタビュー番組。不正を事実とする再調査結果が発表された5月、ウイリアム王子がビデオメッセージを発表し、二度とインタビュー映像を使わないよう求めたことも話題を呼んだ。しかし、来年配信が予定されているネットフリックスオリジナルドラマ「ザ・クラウン」のシーズン5では、このインタビューが再現されているという。
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関係者が新シリーズの“目玉になる”と証言
担当記者のマーティン・バシール氏が偽造書類でダイアナ元妃の実弟チャールズ・スペンサー氏に近づき、最終的に元妃を信頼させてテレビカメラの前に座らせたと長年噂されていた英公共放送BBCの番組「Panorama」。昨年11月にスペンサー氏が再び疑惑に言及したことなどをきっかけに、BBCは再調査を開始した。
そして今年5月、再調査の結果は偽造書類の実在を断定。ウイリアム王子は不正を働いた当時のBBC記者マーティン・バシール氏を「ならず者」と呼び、「インタビューを実現させた詐欺的な手法が母の発言に影響した。しっかりとした調査を怠ったBBC上層部にも責任がある」などとビデオメッセージで異例の声明を発表した。
しかし、英大衆紙「ザ・サン」が掲載した記事によると、現在制作中のネットフリックスオリジナルドラマ「ザ・クラウン」のシーズン5でこのインタビューが再現されており、関係者が新シリーズの“目玉になる”と証言していることが分かった。
このインタビューで愛する母親が「私たちの結婚生活には3人が存在し、非常に混み合ったものでした」と父親の不倫を明かした時、名門イートン校の学生だったウイリアム王子は寮で悲しみの涙を流したという。そして26年後に不正が確定した際は、BBCに対し「二度とあのインタビューの映像を使わないように」と要求した。
ところがそんなウイリアム王子の心の傷をえぐるようなドラマ化。だが関係者は「脚本家たちの見方では、チャールズ(皇太子)とディ(ダイアナ元妃の愛称)の波乱を含んだ結婚生活が『Panorama』(での暴露)につながり、その余波がダイアナにとって最後の月日を決定付けたのです」と証言している。
再調査結果を「正義と真実に向けての第一歩」としたヘンリー王子はどう反応?
またこの関係者は「彼ら(ネットフリックス)は巨額の投資をしています。『ザ・クラウン』は王室の歴史の中でロイヤルファミリーがむしろ放っておかれたい分野を掘り下げた実績があります」とも述べている。
一方、メディアに対する恨みが兄以上に深く激しいとされるヘンリー王子は、今回のドラマ化についてどのように反応するのか。王子は母親に関して、特にパパラッチをはじめとする過剰な取材攻勢を猛烈に非難してきた。
もちろん不正行為の再調査結果にも、「これは正義と真実に向けての第一歩です。同時に私は、このようなことやあるいはさらに悪質なことが、現在も広く行われていることを深く憂慮しています。このようなことは、たった一つのメディアやネットワーク、出版社の問題ではありません」との声明を発表している。
しかし「サン」紙は「ハリー(ヘンリー王子の愛称)は1億1200万ポンド(約180億円)の契約をネットフリックスと結んでいる」と記述し、決定に沈黙するような雲行きであることを示唆している。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)