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ヘンリー王子夫妻の財団 気候変動に関する宣言発表も「偽善とする一面がある」と英紙

著者:森 昌利

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ヘンリー王子とメーガン妃【写真:AP】
ヘンリー王子とメーガン妃【写真:AP】

 ヘンリー王子夫妻は米国時間2日、財団「アーチウェル」の公式ウェブサイトで環境問題に関する宣言を発表した。前日は英グラスゴーでCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)が開会。エリザベス女王がビデオメッセージでチャールズ皇太子とウイリアム王子を「誇り」と発言したが、ヘンリー王子に言及しなかったことが注目を集めた。ヘンリー王子夫妻の声明発表はその直後とあって、SNS上では揶揄する声も高まっている。

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女王のビデオメッセージでヘンリー王子が言及されなかった翌日に発表

 ヘンリー王子とメーガン妃が発表した宣言は、「COP26にグローバルリーダーが集まり気候変動の解決に取り組む中、サセックス公爵夫妻(ヘンリー王子夫妻)が率いるアーチウェルの私たち全員が、2030年までに『ネットゼロ』になることでより持続可能な未来に向かうという誓いをシェアします」との出だしで始まる。王子夫妻が設立した財団「アーチウェル」内で、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「ネットゼロ」を実現させると誓約する内容だ。

 この宣言にある通り、現在の英グラスゴーではCOP26が開催中。英国時間1日の開会式で公開されたエリザベス女王のビデオメッセージでは、亡き夫フィリップ殿下の環境問題に対する思いや、その真摯な姿勢を受け継いだチャールズ皇太子とウイリアム王子を「誇りに思う」と語ったことが話題になった。

 しかし、このビデオメッセージでヘンリー王子にはまったく言及されず。複数の英メディアは、スピーチの直後に前述の宣言が発表されたという状況にも注目している。

 英大衆紙「デイリー・メール」は、発表された宣言を詳細に解説。「アーチウェル」はネットゼロを実現するため、独立系コンサルタントと協力して関連するすべての活動(インターネット使用、通勤、ホームオフィスでの電気使用など)を追跡。組織の「カーボンフットプリント(個人や企業が活動全体を通して排出する温室効果ガスの出どころ)」を把握するとしている。

 その「カーボンフットプリント」には「何をいつ食べるか」「輸送手段とその頻度」などが挙げられているが、同紙は「プライベートジェット使用問題がこうした宣言を偽善とする一面がある」と指摘した。「輸送手段とその頻度」を挙げる“エコ戦士”が堂々とプライベートジェットを使用し続けては、確かに説得力も感じられないだろう。

 また英大衆紙「デイリー・エクスプレス」は、この宣言に対し「もっと独自性を持った提案を!」というSNS投稿があったことを報道した。さらには「独立系コンサルタントと協力」というくだりに対し「ということは、今のところネットゼロの実現に何も具体案はないということ?」という書き込みも。さらには「COP26に乗っかったPR効果を狙っただけ」という辛辣な内容もあり、またも論議を呼んでいるようだ。

(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)