仕事・人生
「女性は話が長い」と聞いて自分のことかと…ドムドム社長の考える“自分らしさ”
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女性だからと身がまえず「シンプルに、今を大切に生きる」
目標に向かって綿密な計画を立て、実行する方法もありますが、藤崎さんは「自分は将来こうなりたいとか、こうやってキャリアを構築したいとか思ったことは一度もありません。今もないです」と明かします。
「シンプルに、今を大切に生きる。それだけです。35歳の時の私は政治家の妻であることを大切に思っていましたし、居酒屋を起業した時は一生経営していくんだろうと思っていました。
一生懸命お料理を作って接客をしていたら、お客様からお誘いいただいたのがドムドムのメニュー監修です。自分の開発したメニューが提供される店舗を見たかったので出張に行かせてもらい、見たものはちゃんと報告するべきだとレポートをまとめて提出したら、『入社して真剣に取り組みませんか』という話をいただいたんです。“今”の積み重ねでここまできました」
「女性だから」と肩肘張らずに、一人の人間として今を大切に、そして一生懸命に生きることが笑顔の秘訣だといいます。
「戦おうと身がまえる必要なんてまったくありません。重いものがあれば男性に『持ってくださーい!』でいいんですよ。お願いできることはした方がいいし、時には弱いふりをしてもいい。肩肘を張っていると、表情まできつくなって笑顔も出なくなってしまいます。難しく考えず、今を大切に、『これが楽しいから頑張ろう』と過ごしていれば、自然と笑顔にもなりますし、物事も良い循環で回っていくんじゃないかと思いますよ」
藤崎さんが浮かべる素敵な笑顔、そして現在の姿こそが、その効果を物語る証拠と言えるのかもしれません。
東京都出身。下町のせんべい店に生まれ、政治家を務めた父の元で育つ。青山学院女子短期大学卒業後、年上の政治家と21歳で結婚し長男を出産。39歳まで専業主婦だったが夫が病に倒れ、縁あってアパレルショップ店長として働き始める。新橋の居酒屋でアルバイトとして勤務した後、自ら女将として起業。常連客に誘われて「ドムドムハンバーガー」のメニュー開発顧問として「手作り厚焼きたまごバーガー」をヒットさせ、正式入社に至る。その後はわずか9か月で社長になると「丸ごと!!カニバーガー」などが大ヒット。業績回復に一役買っている。
(Hint-Pot編集部・佐藤 直子)