どうぶつ
車いすを乗りこなし…天国から今も勇気を届ける元保護犬 教えてくれた大切なこととは
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衛生環境や食生活の改善、医療技術の発達などにより、人間だけでなくいぬやねこたちの寿命もここ20年ほどで飛躍的に伸びています。愛する家族の長生は喜ばしいことである一方で、さまざまな難題も。シニアのペットと幸せに暮らしていくには、どのような工夫が必要なのでしょうか。飼い主さんのサポートのもと、さまざまな病気と闘いながら最期まで生き生きと暮らし続けた1匹の元保護犬を通じて、じっくりと学んでみましょう。飼い主さんに話を伺いました。
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振り返った瞬間、走り寄ってきたルーさん
いぬ用車いすを乗りこなし、お散歩を楽しんでいるのは、元保護犬の「ルディ」ちゃん。家族からは愛情を込め、ルーさんと呼ばれています。ルーさんが飼い主さんの元へやってきたのは、医師の診断によると推定6~7歳頃のこと。出会いの場は里親を募集する譲渡会でした。
「先代の子を見送り、そろそろ保護犬をお迎えしようと考えていた時に譲渡会へ足を運びました。そこで駐車場から会場へ向かう際、茶色のいぬを連れた男性とすれ違ったところ、その子が先代の子と見間違うほどそっくり。それがルーさんのファーストインプレッションでした」
その後、飼い主さんとルーさんは運命を感じる再会を果たします。それはにぎわった会場内でのこと。
「スタッフさんから『どのような子を探していますか?』と声をかけられ、9割方ねこさんだったので『今日はわんちゃんはいないのですか?』とお伺いしました。すると『少ないけど黄色いバンダナを着けている子がそうですよ』との返事があり、『え! じゃ、あの茶色の子もそうなんですか?』と振り返った瞬間、ルーさんが私の元へ走ってきてくれたのです。その後はもう何も悩むことはありませんでした」
実はルーさんの名前「ルディ」には、アフリカのスワヒリ語で「戻る」「返る」という意味があるそう。ルーさんは近所の人々も気が付かないほど、先代犬と生き写しのようにそっくりだったため、「生まれ変わって帰ってきてくれた」という意味で名付けました。